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インタビュー

コロンビアで民衆演劇・女性演劇をリードする

パトリシア・アリサさん

  • 2009.01.25
  • 聞き手:赤石千衣子
  • 撮 影:落合由利子

パトリシア・アリサさん

女性には女性のスペースが必要

 2008年11月、コロンビアで民衆演劇を推進する劇団「ラ・カンデラリア」の創設者の2人が来日し、講演とワークショップが各地で開催された。
 その一人パトリシア・アリサさんに出会った時、なんという深い悲しみをたたえた顔をしているのだろうと思った。それは内戦の続く南米のコロンビアという国で42年間民衆演劇の先頭に立ってきた彼女の歴史を表しているのだろうか。演劇ワークショップでは彼女の魔法にかかったように参加者はどんどんパワーを発揮していった。

 「コロンビアは麻薬と内戦とゲリラの国だと言われるが、逆に、あるいはそのためか、演劇と祝祭の国でもあるのです」
 今、南米では軍事独裁政権の歴史を断ち切り、ボリビアのように民衆が支持する政権が次々誕生しているが、コロンビアでは貧富の差が激しく、400万人の農民は強制移住させられ、内戦が続く。
 しかしその国で民衆演劇が盛んに行われ、2年に1度開催される「もう一つの演劇祭」には国中から、また南米や世界各国の人々が参加する。
 また毎年の「舞台に立つ女性たち」世界女性演劇祭には、南米を中心に多くの女性たちが参加する。

 劇団「ラ・カンデラリア」は1966年に発足した。パトリシアさんが大学の芸術科1年の時、演劇を教えていた先生が弾圧を受け大学を辞めた。その時に演劇こそ必要だと感じたパトリシアさんは、自分も退学して劇団創設に参加した。
 「それが大切なことだと分かっていたから」
 その先生で、共に来日したサンチアゴ・ガルシアさんは、50年代に日本人演出家に演劇を学んだ。独裁政権に共産主義者と知られ追放されるまでのたった3カ月、集中的に教えた佐野碩さんの名は劇場の名として残る。
 2年しかもたないと言われた劇団は続いた。最初は観客を集めるのにも苦労し、町で観客を呼び集めた。ラ・カンデラリアは集団制作を実践し、テーマは民衆が置かれている状況を反映したものだった。それは次第に民衆に支持されていった。

続きは本誌で...

Patricia Ariza

1943年生まれ。演出家・女優・劇作家。子どもの時に難民となった。劇団「ラ・カンデラリア」のメンバーとして活動しながら、女性演劇団体の指導にも当たる。社会貢献も行い、オランダの「クラウス王子賞」を受ける。
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