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インタビュー

朝鮮女子勤労挺身隊を演じる

武藤陽子さん

  • 2023.12.5
  • 聞き手…室田元美
  • 撮影…落合由利子

>武藤陽子さん

(c)清落合由利子

人としての良心、揺さぶりたい。

65年の苦労を何だと思ってる!馬鹿にするんじゃない!」  舞台の上で声を振り絞る、武藤陽子さん。2022年9月、上演された「ほうせん花2022―つなぐ記憶と継承」の一場面だ。   演じるのは戦時中、朝鮮から連れて来られ働かされた、名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊の梁錦徳さんの役。この作品は03年に初上演され、昨年は19年ぶりの再演だった。

 

 梁さんは勉強や運動が得意で、小学校では級長も務める子どもだった。小学6年生だった1944年、学校で「日本に行って働けばお金儲けもできる。学校にも進学できる」と騙され、止める親を振り切って海を渡った。名古屋、富山、沼津の軍需工場では、朝鮮女子勤労挺身隊として、13~15歳の約1700人が働かされた。

三菱重工名古屋航空機製作所に強制動員された梁さんらは、シンナーなどを扱う過酷な労働を強いられた。進学なんてまったくの嘘。働いた分の給料ももらえなかった。44年の東南海地震では仲間6人を亡くした。解放後、祖国に帰り結婚、子どもも生まれたが、夫からは日本で軍人を相手にしたと疑われ、汚らしい女と罵られた。      梁さんたちは99年に日本で裁判を起こしたが敗訴。2012年、韓国大法院に持ち込まれた「徴用工訴訟」は、日本国内でも話題になった。日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決済みとして譲らない。

 

武藤さんは、高校で演劇に出合った。社会人で多忙な日々を送るうち、演劇が恋しくなり、名古屋の「劇団名芸」の戸を叩いた。

          続きは本紙で...


むとう ようこ

1964年愛知県一宮市生まれ。愛知県高等学校教職員組合で勤務しながら、名古屋の「劇団名芸」代表を務める。名古屋市公会堂で上演された「ほうせん花2022―つなぐ記憶と継承」では、勤労挺身隊訴訟を闘った梁錦徳さん(1929年生まれ)を熱演。 ---

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