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インタビュー

「東京インクルーシブ教育プロジェクト」代表

川端舞さん

  • 2023.10.15
  • 聞き手…柏原登希子
  • 撮影…落合由利子

>川端舞さん

(c)落合由利子

インクルーシブ教育が作る社会へ

昨年8月スイスのジュネーブで、障害者権利条約(日本は2014年に批准)の日本審査が行われた。総括所見の中で改善を強く勧告されたことの一つが、分離教育の中止とインクルーシブ教育の推進だ。  川端舞さんは、ジュネーブに飛んだ。脳性まひによる運動障害・言語障害がある川端さんは、普通学級に通った。今はインクルーシブ教育を推進する活動をする。思いを英語で書いたカードを審査委員に渡すと、ある委員は「日本の分離教育は問題だ」と答えてくれた。

 

 「条約は『私たち抜きに私たちのことを決めるな』との理念の下に作られたので、当事者の声をちゃんと届けて、当事者が決めることが大切だと思いました」。そんな川端さんだが、普通学級での経験を肯定的に捉えられない時期があった。

小学校入学に際して、教育委員会から特別支援学校を勧められたが、両親の希望で普通学級へ。学校では介助員がついた。  ところが「先生が私の言葉を聞き取ろうとしてくれなくて、私が話しても介助員に通訳させる。学校では話してはいけないんだと思って、だんだん友達とも話せなくなりました」。

  

川端さんは親に「障害があるから、勉強できないと見捨てられるよ」と言われ続けた。「自分の価値は勉強だけだと思ってしまって。特別支援学級に知的障害の同級生がいたんですが、私はその同級生とは違うと思ってしまったんです」  中学校2年生の時に介助員が代わったが、生理が始まってトイレ介助を頼むと、「汚い」「くさい」などと言われた。

 

「生理になった私が、障害のある私が悪いと思って誰にも相談できなかった。この時のことが怖くて、介助者を使うようになってからも、なるべくナプキンを交換しないようにしていました」。最初に話した大学の友人から「それは虐待だよ」と言われて、初めて気づいた。

          続きは本紙で...


かわばた まい

1992年群馬県生まれ、大学から茨城県在住。「つくば自立生活センターほにゃら」メンバー、「東京インクルーシブ教育プロジェクト」代表、ライター。ウェブメディア「NEWSつくば」でコラム「電動車いすから見た景色」を連載。中学校時代の虐待経験についても積極的に発言。

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