WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

もろさわようこさんを研究する記者

河原千春さん

  • 2023.7.5
  • 聞き手…伊藤春奈
  • 撮影…落合由利子

>河原千春さん

(c)落合由利子

受け取ったバトンを次に渡したい

信濃毎日新聞」の記者である河原千春さんは、この春から休職してお茶の水女子大学の大学院に通っている。研究テーマは、女性史家もろさわようこさんをジェンダー史に位置づけることだ。

 

所属する文化部に異動した2013年、取材対象としてもろさわさんに出会い、19~20年にもろさわさんを紹介する連載記事を執筆。21年に書籍『志縁のおんな もろさわようことわたしたち』(一葉社)にまとめた。同年、『新編 おんなの戦後史』(筑摩書房)も編集した。その過程で、もろさわさんの思想の先駆性をさらに追究したいと思いつつも、ジェンダーやフェミニズムを体系的に学ばなければ先駆性を理解できず、歴史に位置づけられないと痛感したという。

「いつか他の研究者が現れてほしいという期待もこめて、まずは論文を書くのが目標です。記者を続けていくにはジェンダーの視点で社会を見ることが必要だとも思い、入学しました」  もろさわさんの1970年代の著作には早くも男性学・ジェンダー史的な視点が見られる。戦中体験や部落差別への問題意識から、独特の思想を紡いできた。

  

「いつか他の研究者が現れてほしいという期待もこめて、まずは論文を書くのが目標です。記者を続けていくにはジェンダーの視点で社会を見ることが必要だとも思い、入学しました」  もろさわさんの1970年代の著作には早くも男性学・ジェンダー史的な視点が見られる。戦中体験や部落差別への問題意識から、独特の思想を紡いできた。

「もろさわさんは女性史で知られますが、一貫して部落問題と沖縄の歴史を大切に考えてきた方。地縁や血縁から解放されて個人を尊重する「志縁」という独自の概念にも先駆性があります。もともとは文学少女で、『ふぇみん』での連載をまとめた『わわしい女たち』など古典文学の仕事も多彩です。古典や伝説をベースに現代の問題を語れるスケール感は、ほかに見当たりません。私にとっては巨大な思想家という位置づけです」

          続きは本紙で...


かわはら ちはる

1982年、神奈川県生まれ。大学時代、インドでのボランティア活動や朝日新聞の学生記者の経験などから、記者を目指す。もろさわさんの連載終了後、長野に縁深いフェミニストを深掘りする連載「米田佐代子が語る人生とらいてう」も企画・執筆。

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