WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

安保法制違憲訴訟・女の会

朝倉泰子さん

  • 2016.11.25
  • 聞き手…岡田真紀
  • 撮影…落合由利子

 朝倉泰子さん

勝っても負けても戦争はだめ

 

「負けると悲惨だから戦争してはいけないのではない。たとえ勝つ側になるとしても戦争はしてはいけない。相手側に大変な苦しみを与えることはもちろんのこと、戦死者はでて、生きて帰っても、人を殺したり、仲間が殺されたり、自分が殺されるかもしれない経験をしたことで、精神を病んで家族に暴力をふるったり、自殺したり、悲惨な人生を送る。今、アメリカの尻馬に乗っていれば、自分はひどい目に合わないから戦争してもいいと思っている人たちがいるのが私は絶対に許せない」

朝倉泰子さんは「安保法制違憲訴訟・女の会」の一員であり、安保関連法制は憲法が保障する平和的生存権などを侵害しているとして、国に対して今年8月15日に損害賠償請求訴訟を起こした原告の一人。朝倉さんは安保法制の議論の中で、「勝つ戦争」をやりたがっている雰囲気を感じる。被害体験からの反戦とともに、加害者としての自分たちをとらえ返す視点が必要だと語る。

 

 朝倉さんは敗戦2年後の1947年、東京都立川市で生まれた。松葉づえをついてアコーディオンを弾く傷痍軍人や、生きるために米兵を相手にする女性の姿をよく見かけた。両親の生家はともに東京・早稲田にあったが空襲で全焼し、母のいとこが九死に一生を得た特攻隊員だったことや戦後の食糧難などを日常会話のなかで聞き、戦争は二度と嫌だと思った。

1966年、都立高校から大学に進む。学生運動が激しさを増し、学内には立て看板がひしめいていた。朝倉さんも「セクト」には関心を持てなかったが、連日の議論の輪のなかにいた。

「ストをするかどうか、学生全員が入っている自治会が、総会を開いて議論して、過半数の賛成があってはじめてストをする。すごく民主的だった」  学内の問題だけでなく、植民地支配、部落差別、ベトナム反戦、沖縄返還…平和や民主主義について語り、行動する日々。その中でパートナーと知り合い、学生同士で結婚する。

          続きは本紙で...


あさくら やすこ

1947年東京都生まれ。1966年大学入学、南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題に関心を持つ。33年間、公立中学校社会科教員。現在、東京都退職女性教職員の会に所属。サラ・パレツキーら女性推理小説作家や北村薫の作品が好き。趣味で織物も始めた。

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