親、子、小児医療のいい関係
子どもを見つめる視線がやさしい阿真さんは11歳を頭に3人の男の子の母親。「小児医療にかかわるすべての人たちのかけはしに」をモットーに、8年前に現在の「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」を立ち上げ、親や小児科医、関係する行政をつなぐ活動をしている。そのきっかけは第1子が生後9カ月の時に45分間も痙攣が止まらず救急搬送された時の衝撃だった。
軽症・重症の子どもたちが入り混じってむずかりながら診察を待ち、親たちは不安に満ち、医師や看護師は大勢の病児の診察に追われていた。阿真さんの子どもは5日間入院したが、医師たちはいつ休んでいるのかと心配になるほど働き続けていた。
その後、救急で来院する子どもの9割は軽症であり、小児科医は過労状態だということを知る。世間では親が安易に夜間の救急にかかっていると「コンビニ受診」を批判していたが、親の不安がわかる阿真さんは親を批判する気になれなかった。
親が病気の正しい知識を身に付け、軽症の子は家で身体をやすめ翌日かかりつけ医に診てもらうことで、重症の子はすぐに診てもらえるようになり、医師の負担も減るのではないかと考え、会を一人で立ち上げたのだった。その時、上の子は3歳、2番目は4カ月、阿真さん自身は子どもを保育園に預けて夫と飲食店を営んでいた。
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あま きょうこ
1974年生まれ。マレーシアで日本語教師を務め、帰国後外務省外郭団体で国際交流。結婚して夫とラーメン店経営。2007年会を立ち上げ(12年に社団法人化)。10年医療市民マイスター協会設立。11年東京助産師会とともに福島から避難した妊産婦支援。
*会のホームページ http://www.shirouiryo.com/