国会前を、私たちの解放区に
このところ集会やデモのたび、驚きを持って注目されている人がいる。あの、ふぇみんも参加する「許すな!憲法改悪・市民連絡会」(以下、「連絡会」)で演説している若い女性は誰?運動歴の長い人の中で20代の彼女はひときわ目立っていた。
母は手話通訳などを通じて地域で活動、父は自営業、ごく〝普通〟の家庭で育った。小さなころ、母に連れられて聴覚障がいの人たちと触れ合い、手話を覚えた。本が好きだった。
5年生のとき、学校で「君が代」の歌詞の意味を教わった。直感的に「嫌だな」と感じ、両親に話すと、歌わない選択肢もあるという。担任の先生に相談したら、先生も着席すると言った。その後押しで「君が代」斉唱を拒否。6年の卒業式は「日の丸・君が代」拒否を示すブルーリボンをつけて参加した。
12歳のとき、9・11が起こる。13歳のとき、日比谷野外音楽堂で開催されたイラク戦争反対のデモに母と行ったときの衝撃が忘れられない。自分は少数派だと思っていたが、そこには何万人もの仲間がいた。平和的なデモのあり方にも感動した。
以来、一人でデモや運動に参加するようになった。郊外から都心へ出て、東京マップを片手に地下鉄を乗り継ぎ、公園へ、集会所へ。「もうとめられない状態になってました」
モでもらうチラシを読み込み大事な部分に線を引く。多く線を引いたチラシのデモにはまた足を運ぶ。そして自分でもチラシを作成し、学校で配った。
アメリカ大使館前の座り込みにも参加し、学校と大使館を往復する日々が続いた。そこで出会ったのが、「連絡会」の高田健さん。以来、共に活動をするようになった。
続きは本紙で...
ひしやま なほこ
1989年東京都生まれ。13歳よりデモ、社会運動を行い、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」を中心に活動。大学時代から現在まで障害者支援施設で非常勤職員として働く。集団的自衛権の閣議決定後から、東京を中心に平和のための街宣活動を行う。2月8日街頭宣伝あり。