WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

『母がしんどい』『ママだって、人間』の漫画家

田房永子さん

  • 2014.12.05
  • 聞き手…柏原登希子
  • 撮影…常見藤代

田房永子さん

「毒母」は女たちからのSOS

 2年前、書店で見つけた本の表紙に目が釘付けになった。ほのぼのとしたテイストで描かれたニッコニコの母らしき女性が、無表情の小さな子どもをガッシと抱いている。タイトルは『母がしんどい』。私も含め共感した30~40代の「娘」たちがたくさんいたはずだ。  田房永子さんが、母からの支配の日々、母とのたたかいと決別を描いたこのコミックエッセイが、昨今の「毒母」ブームの火付け役になったと言っても過言ではない。雑誌やテレビで次々と特集が組まれ、視聴者や読者からの反響もすこぶる大きい。  「世間から怒られると思っていたのに、歓迎ムードでびっくり。『毒母』は、親に苦しんでいる子どもが親を切り離すための言葉。でも毒母を告発する息子は表に出ないんですよ。金銭や身の周りの世話で娘より毒母に取り込まれているか、娘と違って罪悪感なく関係が切れるからだと思う」と田房さんは言う。     小さい頃から、習い事も、進路も、感情も決められてきた。突然通わされるピアノやバレエ、アルバイトや学校行事も邪魔され、母との海外旅行を強要されたり、修学旅行にパジャマを着せられたり、言うことを聞かないとすぐにキレて、社会人になってからも職場に怒鳴り込みの電話がかかったり…。  実は漫画家になろうと思ったのは、小学生の頃。「完全に母の『呪詛』と田房さんは言う。「結婚して子どもを産まないと人ではない」という呪詛と「結婚しても夫を信用するな。手に職をつけろ」という呪詛を受け、選んだのが漫画家だったのだ。  社会人になって「ストレスで死ぬ」と感じて生家を出た。結婚後の2008年、妊娠を機に、母らと絶縁をした。「親を捨てる」という罪悪感に苛まれたこともある。でも「毎日お母さんのことを恨んで恨んで、夢に出てきて、ずっとそういう人生なんだろうなって思ってたら、2、3年で楽になってきて。早く絶縁しときゃよかった」 続きは本紙で...


たぶさ えいこ

1978年東京都生まれ。2000年漫画家デビュー。01年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞。12年『母がしんどい』(新人物往来社)、14年『ママだって、人間』(河出書房新社)、『呪詛抜きダイエット』(大和書房)、『うちの母ってヘンですか?』(秋田書店)刊行。

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 6カ月4,500円、1年9,000円
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