WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

「グリーフサポートせたがや」代表

山本知佳子さん

  • 2014.02.15
  • 聞き手…清水さつき
  • 撮影…宇井眞紀子

山本知佳子さん

喪失に向き合い、支え合う

 「喪失」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。親しい人の死。または、津波にさらわれた記憶だろうか。  喪失やグリーフ(大切な人やものを失ったときの心身の反応)を抱える人をサポートする活動を行う「グリーフサポートせたがや」(グリサポせたがや)。現在の代表を務めるのは山本知佳子さんだ。    2012年夏、インドから15年ぶりに帰国し、日本での生活の立て直しに心を砕いていた知佳子さんは、長年の友人に誘われて「SOSHIREN女わたしのからだから合宿」に参加。〈過去の喪失体験を弔う〉分科会に出合い、グリサポせたがやのメンバーを知る。分科会は、自分が心の中に抱えている感情は喪失なのだと認識する契機になった。「いろいろと必死になっていて、自分の気持ちを大切にする余裕がなかったことに気づきました」  翌年から、積極的にグリサポせたがやの活動に加わった。当時は時間の融通が利く仕事だったこともあり、共同代表に。法人化と共に代表になる。  帰国は、20年生活を共にしたドイツ人のつれ合いとの別れがきっかけだった。別れには全く後悔はないが、一から生活を築き直す苦労もさることながら、20年間の年月を否定されたという喪失感が強かったと言う。  活動していくにつれ、誰もが人生で死別や離別だけでなく、さまざまな形の喪失を持っていることに気づいた。「6年ほど前に乳がんでからだの一部をなくしました。今改めて考えると、あれも喪失だったんだなと」。そして、喪失やグリーフを知ることで、「きょうだいが自殺してつらい思いをしていた友だちにどう声をかけ、どうふるまったのかを思い出したりして、人との関係を見直す機会になっています」。  「人生は喪失の連続です。喪失を経験することで学び、他人の喪失に対しても敏感になれる」。そう前向きに捉えると、人と人が互いに支え合うような関係づくりの糸口になる可能性もあるのかもしれない 続きは本紙で...


やまもと ちかこ

1959年、東京都生まれ。旧西ベルリンに6年暮らす。その後中国とインドに15年住み、ドイツのメディアの仕事をする。現在は翻訳会社に勤務。趣味はインドではまったヨガと、水泳。「グリーフサポートせたがや」 www.facebook.com/griefsupportsetagaya

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