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インタビュー

日本の戸籍を研究する

リンダ・ホワイトさん

  • 2013.09.15
  • 聞き手…じょうづかさえこ
  • 撮影…落合由利子

リンダ・ホワイトさん

「特権」を持つのは誰なのか?

 リンダさんはアメリカで「日本文化とジェンダー」などを教える大学教員。フルブライト研究助成で奨学金で2012年8月から1年間日本に滞在し、「戸籍」についてのフィールドワークを行った。  「ジェンダーの問題を考えるとき、その社会で『特権を持っているのは誰か』を探ることが大事だと思うのね。アメリカのフェミニズムも1970年代はさまざまな女性がつながるシスターフッドが主流だったけど、80年代になると、人種や国籍などによって女性の経験が違うことがはっきりしてきた。それは日本でもたぶん同じ。障害の有無、被差別部落出身かどうかなどで、女性の経験が変わってくる」  「特権」は英語の「privilege」の訳。男性特権、ヘテロ(異性愛)特権、健常者特権など、「多くの人は気づきにくいけれど、差別の裏に静かに座っているもの」と、リンダさんは言う。「私も『白人』という特権を持っています」。  リンダさんの初来日は、30年前。パートナーの奨学金で3年日本で暮らし、日本語を学ぶと同時に、日本に暮らす外国人フェミニストのグループと出会い共に活動した。帰国後、銀行などで働いたが、男性のサポートの仕事にあきたらず、大学院に入り社会人類学を専攻。「日本の草の根の女たち」をテーマにした博士論文のため、94~95年に3度目の来日をした。アメリカではほとんど話題にならなかった北京女性会議(95年)に日本の女性グループと共に参加し、また、戸籍・住民票の続柄の差別記載裁判を闘う田中須美子さんらとも出会った。  大学教員となったリンダさんの4度目の来日の研究テーマは、「からだ」のこと。そして10年ぶりの今回の5度目の来日では「戸籍」をテーマに据えた。  「社会人類学は、外からの目ではなく、長くその国に暮らしてきた人の目で見ることが大事」と、約40人にインタビュー。アンケート調査も200人以上から回答をもらった。 続きは本誌で...


リンダ ホワイト

1957年、米イリノイ州シカゴ生まれ。ミドルベーリ大学日本学部教員。社会人類学者。日本文学を大学で教える翻訳家のパートナー、21歳の息子、16歳の娘と、自然豊かなバーモンド州に住む。合気道を教えるほか、「音楽も自然も日本も大好き!」

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