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インタビュー

『福島 六ヶ所 未来への伝言』を撮った

島田恵さん

  • 2013.04.25
  • 聞き手…岡田真紀
  • 撮影…落合由利子

島田恵さん

いのちのバトンをつなげるために

 北の海の精悍な漁師の顔に悔しさがにじむ。同じ漁場の真ダラから基準値以上の放射性物質が検出されたため、獲れた魚をすべて海に捨てなくてはならないのだ。大漁旗を翻して帰るはずの港にカラで戻った船影がやるせない。青森県六ヶ所村に核燃基地が建設されようとした時、身体を張って漁場を守ろうとした村内の泊の漁師が今、福島の原発事故による放射線禍に苦しむ。島田恵さんが撮った映画『福島 六ヶ所 未来への伝言』の1シーンである。     島田さんは大学卒業後、写真雑誌の会社で働き、ユージン・スミスや土門拳の写真に映像が訴える力を感じ、写真家への道を進む。それには、旧来の男性の補助としての女性役割への反発から、実力で評価される職業への憧れもあった。そして1986年、チェルノブイリ原発事故が起きた。人類の未来を危うくする原発の問題が日本にもあることに気づき、当時、核燃基地建設をめぐって揺れる六ヶ所村を訪ねる。そこで目にしたのは、「大地、海、空気を汚すな」と、「機動隊と向き合って座り込みをしているお母ちゃんたち、船団を繰り出して阻止行動をしているお父ちゃんたち」のすさまじい怒りと抵抗だった。そのエネルギーに突き動かされて取材を開始し、90年からは六ヶ所村に移り住む。  反核燃運動に関わりながら、自分たちが畑で育てたジャガイモや豆、山で採ったフキやワラビを産直の会で販売もした。六ヶ所村を写真や文章だけでなく、豊かな自然の恵みを通して伝えたかったのだ。船酔いをこらえてイカ漁、コウナゴ漁の船にも乗った。寒風吹きすさぶ浜で、漁師に手ほどきを受けてサケをさばき、塩漬けにし、新巻きザケも作った。生活をともにする中で、笑い、怒り、苦悩する村人の姿、そして核燃基地建設が進められていく様子を撮り、写真集『六ヶ所村 核燃基地のある村と人々』を出版。全国を巡回して写真展を開いた。 続きは本誌で...


しまだ けい

1959年、東京都生まれ。写真家。著書に『いのちと核燃と六ヶ所村』(八月書館)、写真集『六ヶ所村 核燃基地のある村と人々』(高文研)。第7回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞。映画連絡先 TEL 070(6523)8559(宮城)http://www.rokkashomirai.com/

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