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インタビュー

映画『1985年 花であること』の

徐翠珍さん

  • 2012.02.15
  • 聞き手…山本柚
  • 撮影…しんのすけ

徐翠珍

「管理」のまなざし はねのけて

「永住で、日本生まれで、まったくの…」  「指紋は取りますけれど」  真っ暗な画面に声の押し問答だけが続く。  2010年7月、関西国際空港入国ゲート。徐翠珍さんは両人さし指を差し出した。在日中国人としては初めて外国人登録証明書(外登証)の指紋押捺を拒み、裁判をたたかってきた徐さんにとって、28年ぶりに取られた指紋だ。  「残念…。残念という言葉しか出なかった」  1980年代の押捺拒否のうねりに後押しされるように完全撤廃された指紋が「テロ対策」のもと、復活している。「同時多発テロ」が起こった米国に次ぎ07年、日本版「US―VISIT」が始まった。特別永住者を除いた外国人に、入国審査時の指紋採取と顔写真撮影を義務づけた。以来、海外に出ることを徐さんはためらっていた。     徐さんの人生の節目は、指紋にまつわる記憶とともにある。  指紋をめぐるやり取りから導かれる映画『1985年 花であること』は、徐さんらと指紋押捺拒否をたたかった在日朝鮮人2世の金成日さんが監督をつとめた。戦前から日本に暮らす老華僑の歴史が、徐さんの個人史と重ねて語りだされる。  いま、徐さんの心を占めるのが改定入管法のことだ。新たな在留管理制度として今年7月から施行される。国による外国人管理の一元化が、大きな変更点だ。  徐さんは「一般永住者」から「中長期在留者」となり、在留カードの常時携帯義務が課される。20年以上、外登証を持たずに生きてきたが「これまで積み重ねてきた在日のたたかいが、なかったことにされてしまう」と、法成立直前の09年夏、仲間と反対の声をあげた。雨中、大阪の街を200人がデモ行進した。だが、老華僑をルーツにもつ在日中国人の姿は少なかった。  「なぜ、動かないのだろう」  思いをめぐらせるうちに、日中戦争の影に行きあたった
続きは本誌で...


じょ すいちん

1947年生まれの在日中国人2世。2001年から靖国合祀訴訟事務局。在日米軍「思いやり予算」返還訴訟を呼びかけ、原告にもなる。反戦平和について考え行動する市民共同オフィス「SORA」共同代表。映画の問い合わせはTEL06(7777)4935

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