WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

ジェンダーカルタをつくった

藤場芳子さん

  • 2011.09.05
  • 聞き手・撮影…清水さつき

藤場芳子

寺で女性差別や社会問題を考える

〝お世継ぎを 産むだけじゃない 私の役目〟 〝葬式で 女の坊さん 珍しい?〟…  藤場さんは、1986年以来、「真宗大谷派における女性差別を考えるおんなたちの会」で活動を続け、長年教団内における性差別に気づいてもらうための取り組みを続けてきた。  そこでつくったのが「ジェンダーカルタ」だった。  なぜ、寺のジェンダー問題を取り上げようとしたのか。  父親が沖縄出身で仏壇がなく、宗教の感覚が薄い家庭に育ったのに、夫になった人の実家が寺だった。「たまたま恋愛の相手がお寺の人だっただけ」  定年退職後に寺を継ぐ予定の彼だったが、入社後数年で仕事を続けるべきか悩み始めた。そんな時に彼が選んだのが仏教だった。結局会社を辞めて、僧侶の資格を取る大学へ進んだ。  藤場さんも悩んでいた。実父は沖縄出身ゆえの差別経験を酒で紛らわそうとして、家庭不和を招いていた。「父も悲しかっただろうけど、このことは親友にも話せなかった」  仏教は信用していなかったのだけど、勉強を始めた夫から時々、仏教ってこうなんだよ、と話を聞くようになって、ほう、と思った。「人の苦しみ、悩みが課題なんだと分かったら、自分の苦しみを縁に、仏教の教えを聞いていける」と思えるようになってきた。そして藤場さんも大谷大学の大学院へ進んだ。  フェミニズムとの出会いは仏教との出会いと同時期だった。夫の友人から会社の中の女性差別について聞き、以前から思っていた謎が解けた。例えば女子のほうが優秀でも学級委員長は男子、ということに対するモヤモヤ感。「私、差別されていたのね」。生きづらさの正体が分かって、楽になった。  その後、家族で夫の実家の寺に移り住んだ。 平等を説き、苦しみからの解放をめざすのが仏教の根幹なのに、教団内部はどうなのかといったら、男性中心主義。女性は住職の配偶者としての地位しかなく、住職になれなかった。
続きは本誌で...


ふじば よしこ

1954年、東京都生まれ。中学校の英語教員の後、京都・大谷大学で真宗学を学ぶ。石川県野々市町常讃寺に僧籍を置く。真宗大谷派女性室スタッフ。「真宗大谷派における女性差別を考えるおんなたちの会」会員。

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