ふぇみんで反核をつらぬく 女は原発を選ばない
1988年、東京・日比谷の反原発2万人集会で「女は原発をえらばない」と刺繍された華やかな横断幕を持ち女たちがパレードした。この横断幕を婦人民主クラブ(以下ふぇみん)の仲間とつくり、刺繍を担当したのが山口泰子さんだ。
チェルノブイリ事故後、フィンランドの女性たちが「原発を止めなければ子どもを産まない」と政府につきつけたことに連帯して、日本でも「原発と核をなくす女たちの会」が発足。山口さんらふぇみんも積極的に活動に協力した。
横断幕は今でもふぇみん会員たちが集会や要請行動に持ち出す。成り立ちを知らない人から「なぜ女?」という問いが投げられるが、山口さんは「労働組合などいろいろな立場の人が原発反対を言ったが、女としても原発はダメだと強調したかった。ふぇみんの立場では当然出てくる言葉」だと言う。
なぜ、ふぇみんの立場では「女は原発をえらばない」のか。
「戦争に反対し、平和な社会をめざす。それはすべての生命を大切にすること。それがふぇみんの大きな柱で、私はそれに共感して会員になった。生物に害を与え環境も汚す合成洗剤、農薬、原発、すべて問題の根っこは同じなんです。でも、そういう命に根ざし暮らしの現場から発せられる女たちの主張は、当時の社会情勢ではなかなか取り上げられなかった」
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