今、各地に避難所ができ、人々の暮らしは日々動いている。今後は長期にわたる避難場所に移動していくだろう。
正井さんは95年の阪神・淡路大震災の体験から、女性が避難所の運営に参画すべきと言う。
「水がようやく出たときに避難所に洗濯機を送ろうと責任者に声をかけたら、『電気代は誰が払うんだ、汚水で汚れる、ここは学校や』と言われました。お弁当の配布はありがたかったけれど、もし調理室が使えたら温かい食事を作ることができたのに、という声もありました」
暮らしの中で必要なものは何か。女性の視点が必要だ。
これからの支援や活動についてポイントを挙げてもらった。
正井さんたちは05年に災害と女性に関するシンポジウムを開いた。その後開設した「『災害と女性』情報ネットワーク」というウェブサイト(*)の事例と対策が参考になる。たとえば〈女性にとってトイレは死活問題であった。(中略)女性に対する配慮がない〉には〈トイレの使用について安全の問題(男女別のしきり、トイレ周辺を明るくするなど)女性への配慮を〉としている。このサイト情報は今回の震災後すぐにインターネットで流布し、女性団体や行政に届きはじめている。
「阪神大震災の際、ある女性が性暴力に遭ったことを話した場でのこと。なぜすぐ訴えなかったのかと問う人に『ここでしか生きていけないときに、だれにそれを語れと言うんですか』と彼女は答えました」「3月17日には、避難所でトイレに行こうとした少女が背後から触られたという報道がありました。ボランティアも含めて単独行動を避けて行動してもらいたいです」
続きは本誌で...