東アマゾンの大地を破壊する大豆


開発で崩壊した大地

 日本では大豆は有機的な農業を営む上でとても重要な作物というイメージがあります。しかし、ブラジルではこの大豆はまったく違った作物として知られています。

 大豆は現在、石油に並ぶ戦略物資となっており、一九七〇年代後半から、ブラジルでも巨大な規模で大豆生産が開始されました。日本では田圃のあぜ道などに植えるなどきわめて小規模に植えられますが、このブラジルでは数百ヘクタールの規模で巨大な機械を使って植え付けられていきます。

 ブラジルでは多くの地域で長い乾期があり、この乾期の間、収穫を終えた大豆畑の土は保護する植物も何もなく、強烈な太陽にさらされます。その結果、大きな規模で土壌が流出したり、崩壊する現象が起こります。

 大量の農薬、化学肥料を投入することによる環境汚染も大きな問題です。とりわけ、地域に住む小農民が飲む生活用水に除草剤などが直接流れ込み、健康破壊が進んでいる地域が少なくありません。

 また、環境のみならず、社会的にも大きな影響をもたらしています。日本の政府援助やブラジル政府の優遇政策で入植した農家のほとんどは地元の農家ではなく、ブラジル南部の比較的裕福な農家です。一方、地域の小農民はこの大規模農業経営によって自給自足的な農業を続けられなくなり、過酷な労働条件での季節労働者として働くか、大都市や他の地域に流出するしか選択肢がなくなります。

 社会的発展、環境的なバランスという点で大いに問題を含むこのプロジェクトは、ブラジルのNGOや農民団体のみならず、海外からの批判も多いのですが、おかしなことに日本では礼賛する資料ばかりなのです。確かにこのプロジェクトは、ブラジルの開発されていなかった中央部大地を巨大な穀倉地帯としました。その経済的効果という面からいえば、「成功」といえるかもしれません。しかし、経済的要素のみを見て、「未曾有の成功」などと礼賛するのは環境や社会への影響をかえりみなかった過去のものの見方というべきでしょう。
 日本とブラジルの関係をより豊かにしていくためにはこうした現状をしっかり見据え、ブラジルの民衆とともにバランスの取れた発展を構想する必要があると私たちは考えます。

最終更新: 1999/07/31


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