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ものづくり体験企画 福田染工さんの草木染ツアー 協力 福田染工 福田義久さん
2002年3月17日取材
ものづくり職人列伝

草木染ツアー決行!

3月17日(日)、福田染工(西陣の糸染屋さん)こと福田さんご夫婦の全面的なご協力を得て、草木染ツアーを行いました。会場は西陣の一角にある福田さんの工房です。

今回は染液の材料となる植物を各自持ち寄ってもらい、煮出すところから取り組みました。自宅の庭から手折ってきたり、ご近所の農家の方から分けてもらったりした材料がどんな色を生みしてくれるのか、皆興味津々です。

福田さんと草木染の作品

参加者と作品0

草木染の工程

今回行った草木染の工程をご紹介します。

1. 染液をつくる
ぶつ切りにした草木にひたひたの水を加え炊きだすこと20分。液をこしとり、再び水を張って炊き出します。これを3回繰り返して煮汁(染液)を集めます。

2. 染める
染液を80℃程度に温めて、染めたい布(絹がおすすめ。染まりやすさが違います!)を浸します。火を止め20分程度混ぜながら冷まします。

3. 媒染をかける
布を引き上げ、媒染液(金属成分を溶かした液。色素を定着、変色させる働きを持ちます)に5分程度浸します。

4. 再度染める
布を軽く水洗いした後、媒染液をかけた部分だけを再び染液に5分浸します。

5. 仕上げ
ショールなどは、洗濯用の柔軟剤を溶いた水を通します(仕上がりが断然違います!)。最後によく水洗いし、乾かして完成!


さっそく挑戦!染液を煮出します。

草木が煮立ってくると、工房の中は清々しい緑の香りでいっぱいになりました。面白いことに木の種類によって香りが全く違うんです。カイヅカイブキは森林の香り(森林浴効果満点!)、イチジクは芋のようなもっさりと甘い香り。意外なことに梅は灰のようなにおいでした。

染液の煮出し

絞りをいれる様子

生地の下ごしらえ

染液を煮出す間に生地の下ごしらえ。これは絞りをいれているところです。ひもや輪ゴムでくくるだけの簡単な方法を教えてもらいました。


ためし染め 媒染の種類をきめます。

たまねぎの試し染めを手にご満悦なのは、ものづくり塾の塾長。
(彼はこの日のために、2ヶ月間たまねぎを食べ続けました・・・)

ためし染を手にする塾長

福田さんの工房

「これは何に使うの?」
職人さんの道具に興味津々。

作業の合間には、福田さんの本業(糸染)についても盛んに質問が飛び交いました。

いよいよ染めます。


いよいよ染めに入ります。布をあらかじめ水で濡らしておくのが、染めムラを抑えるコツです。

今回使った媒染は銅、亜鉛、鉄、錫(すず)。さあ、持ち込まれた植物はどんな色を出してくれるでしょうか・・・!

福田さんの工房「どんな色だ?!」
固唾を呑んで見守る参加者たち。

参加者と作品1

堂々完成!〜参加者の声から

見事、完成です。参加者の感想の抜粋と、作品をご紹介します。

T.Hさん、K.Iさん親子は庭にあるカイヅカイブキで挑戦。
「今日染めた布の使い道は・・・宝モノです!!」


M.Nさん(左)は、近所の農家の方に頂いたイチジクと松のかんなくずのブレンド。松は以前列伝グループで取材に伺った佐内機料店さんから頂きました。

参加者と作品2

参加者と作品3



F.Mさんは大阪城公園の梅で染めました。
「(気候、時期、育った場所など種種の条件が揃って)偶然出来上がった色は、きっとこれからもあきることなく、そばにあると思います」


T.Rさんは椿。
「工程が大変かもしれませんが、その分できたときの嬉しさは大きいですね!」

参加者と作品4


参加者と作品5

T.Fさんはアカネ。
「意外にも簡単、というが生活に密着した感じ。木はそのままでも色にしても生きものですね」

最後に

材料集めから自分でやったとあ
って、できあがったもの
に対する参加者の思い入れは格別の様子でした。
またスタッフ、参加者の区別なく楽しい雰囲気の中で和気あいあいと取り組めたことが、本当に良かったです。
今後もこの草木染ツアーは半年に一度のペースで行っていく予定です。次回は福田さんのお知り合いの方の持ち山で、ハイキングがてらに草木を集めるところからやってみようと話は盛り上がりました。夏の間にたっぷりと養分と色素を蓄えた草木たち、今度はどんな素敵な色をプレゼントしてくれるでしょうか?楽しみです。


皆でとりました


→ 福田染工さんの本業の取材記事が読みたい

→ 今回のツアーの詳細が知りたい

→ 興味があるので次回ツアーの際には連絡してほしい


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