今回はこのような献立になっています。

 すだれ【簾】細板、割り竹などを荒く編みかけ垂らした簀(す)。もともと床に敷いたむしろを垂らしたことに始まる。


 簾には多くの天然素材が使われています。簾には以下のように大きく2種類あります。

●日よけ簾(上)…軒簾とも呼び、もっとも一般的で軒先や窓際に着けたり、出入り口に下げます。もっとも一般的な簾です。

●座敷簾(下)…いわゆる御簾の流れを汲み、日よけ簾よりは豪華に見えます。四方を布で締め上げている点は、むしろが簾の源流であったことをうかがわせます。

 大きさは関西の方が関東に比べ大きく、これは畳にも共通しています。日よけ簾の丈は大155センチ、中112センチ、小80センチです。座敷簾になりますと、172センチ丈と長くなります。

 編み糸の数が多い方が上等なのだそうです。



 窓や出入り口など開口部の軒や部屋の鴨居(かもい…戸の縁)から垂れ下げる。その用途は大きく4つ。

日よけ ●風通し ●目隠し ●間仕切り

 特に全てに共通することが建物の外観と内部空間を一体にさせていることです。ちょっと拡大解釈をしますと、自然との調和の出来る道具というわけです。
 不要なときは巻き上げることができ、室内や視界を広めることができます。つまり和の道具の3大要素『たたんでしまえる』というわけです。
 最近は開口部にサッシや窓ガラスが多く使われています。そんな冷たい素材に簾をかけるだけで、ぬくもりのある感覚になりますから、重宝されつつあります。
 仕舞うときは、洗剤で水洗いしよく乾燥させて紙に包みます。



加工することのない素材には自然の情緒がある

  日本の夏座敷は冬の座敷に対するものではなく、夏の間のインテリアとして、より風通しがよく、涼しく見えるように模様替えをしたもの。簾はその代表例。縁側の障子を簾に替え、は簾戸(すど…上の写真の座敷簾の奥)に替えたりもします。

 季節の変化に富む日本は季節を春夏秋冬を3つずつ、さらに正月を加えた13にわけ、それぞれにふさわしい、衣食住を整えてきました。インテリアコーディネーター、色彩コーディネータもよろしいですが、自然を生活に活かすコーディネーターもあってはいいんじゃないでしょうか。       (担当:じゅん)

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