自治労音協通信

 5面  NO49号/2003.1.1発行

 2002年度日音協総会から

(文責)事務局長 松本敏之 

 2002年11月16日に日音協総会がありました。この総会では、はたらくものの音楽祭を6月14日、15日、福島市飯坂温泉「パルセいいざか」で開催する。(宿泊はホテル聚楽)個人会員を四百名に拡大し、九州に続き四国、関東エリアで新たな支部を結成すること。
日音協セミナーを1月24〜26日に東京で開催しパソコンによる楽譜作成とアレンジをテーマにすること、などを決定しました。
 また、はたらくものの音楽祭の出演者から出演料を徴収することを福島以降の音楽祭に向けて検討していくことを決定しました。
以下、総会資料のうち2001年度活動総括、2002年度活動方針案から抜粋を掲載します。

2001年度活動総括(案)
1 はじめに

日本音楽協議会が結成されてから37年が経ちました。この間、日音協の組織、財政、運動等の基本部分は加盟労組(理事会)を中心に運営され、全体的には安定した組織、財政運営の中で日音協運動は恵まれた環境の中で運動が進められてきました。
1965年に日本音楽協議会が結成され、芥川也寸志初代会長をはじめ、林光氏、岡田和夫氏、印牧真一郎氏、その後窪田聡氏が加わり音楽家集団を構成し、70年代に入り、藤川ツトム氏、今村一男氏、まとばよしお氏等、多くの創作者が日音協運動に参加するようになり、自らの労働、暮らしを自ら表現するという提起に発展し、「つくり・うたい・ひろめ・つなぎあう」の基本理念が確立されました。加盟組織に組織、財政の面で支えられ、専門家の指導を仰ぎながら「自らを自らが表現する」という今の日音協活動の基本が出来ました。そして今日まで数多くの創作曲、委嘱曲、構成作品、歌集等を作り出してきました。
しかし、今日の日音協をとりまく情勢は年々厳しくなってきております。加盟組織(理事単産)数で見ても、80年代には14の加盟がありましたが、現在では7加盟単産であります。こうした加盟単産の減少で、いわゆる加盟組織による組織的、財政的な支えが難しくなって来ています。
こうした状況を打開するために「個人会員制」への移行、連合との関係強化等を図ってきましたが、個人会員は三百名を少し出たところで止まっていますし、連合ともまだまだ組織的関係を確立できていない現状にあります。こうした今日的な状況をふまえながら総括案を提起します。

2 組織活動
はじめの項で述べたように日音協をとりまく組織的状況は大変厳しいものがあります。これまでのように加盟組織に支えられてきた活動から、加盟組織から支援を受けながらも、より主体的で自立した組織運営がさらに求められています。しかし、こうした状況を克服するため日音協が現在取り組んでいる個人会員拡大は、全体としては進んでいない状況があります。会員数が三百名を少し越えたところでそれ以上の拡大が進んでいません。
県支部単位を個別に見れば、日常活動の積み重ねによって個人会員を増やしているところもありますが、他方で会員数を減らしている県支部も有り、全体的には会員拡大が進んでいない状況にあります。
そんな中で、十月に熊本を中心とした近県からなる「九州ブロック支部」が結成されました。支部数において全国十二支部からなかなか増えませんでしたが、待望の西日本に拠点が出来ました。ここを拠点として近い将来に九州各県支部結成に向けて取り組みを強化していかなけれぱなりません。
さらに「四国」「広島」「茨城」等には、これまで関わってきた仲間が多くおり、まだまだ組織化しなければならない地域があります。そうした地域を丹念にオルグして地方支部組織化に向けた取り組みをしていく必要があります。
一方既存支部の総体的な点検、検証が必要になってきています。特に支部会員数が現状維持で何年も続いている支部、会員数を減少させている支部等はその要因、原因を解析分析してそれに対する対策対応を立てなければ会員拡大は出来ません。
私たち日音協は音楽団体です。日常的音楽活動、音楽現場を作る事を通して会員の拡大をして行かなければなりません。それは「つくり・うたい・ひろめ・つなぎあう」を基本にしながら、「つくり・うたい」は「創作、演奏」の部分をいっているのであって、私たちはこの事により高い技能、技術を求め修得しながら、同時に「ひろめ・つなぎあう」のより多くの人が、誰でもが何の規制もなく気楽に参加できる、開かれた「音楽現場」を作って行かなければなりません。
この日常活動としての音楽現場が構築できてない事が、そして全国の仲間が共有し広めていく力ある「創作曲」を創り出すことが出来えてないことが日音協運動全体の体力、エネルギーを減退させてきている一つの要因となっています。そんな中で「翼」を今年度の入選曲と選考できたことを評価したいと思います。

3 事業活動
今年度の事業活動としてのCDは、全林野音協熱田氏の「あの森林に還りたい」と、全逓音協の「全逓音協創作曲集」の2枚を制作しました。前年度までは財政活動の一環としてCDの制作をして来ましたが、今年度は地方支部の財政活動の一環と位置付ける事とし、中央の財政的には、必要な制作費を回収するに留めることとしました。この事でどれだけ地方支部に財政的メリットがあったかについては検証していませんが、少なくとも地方支部が在庫を抱えて支部財政を圧迫することを軽減できたのではないかと思います。
連合の中央メーデーで日音協として「働くもののコンサート」を企画構成し、前年度には及びませんでしたが、大きな収益を確保することが出来ました。
さらに連合の依頼により「連合平和の歌」のカセットテープを制作し、「春闘闘争開始宣言集会」への出演等、連合運動の中で日音協は一定の役割を担いながら財政的にも大きな部分を占めるようになりました。また、今年度は「北方領土返還要求行動2002in根室」に初めて日音協として演奏で参加し、来年の行動につなげる事が出来ました。
4 機関紙活動
機関紙活動の目的の多くは、プロパガンダであるとともに、加盟組織及び各会員の交流の場でもあります。その意味において、多くの人が登場すること、面白いこと、ためになることなどを心がけて編集してきました。
発行日の毎月1日にあわせて読者に届くように努力しましたが、不十分に終わりました。
購読については、単位ごとの人数が少なくなっています。メンバーが固定化し、新たな若い参加者があまり見受けられない傾向にあります。日常の中での活動に組織的な広がりが見えてこないといったことの表れでしょうか。
5 財政活動
今年度は概ね良好に財政運営が出来ましたが、財政基盤に不安定な部分があり次年度以降になんらかの影響が出ることが予想されます。
その一つに加盟組織の減少があります。現在の日音協において地方支部、個人会員が大幅に増加する事が難しい現状においては、加盟組織の会費に対する依存比率が高く、加盟組織減少は財政縮小にならざるを得ないのが今日の状況です。
個人会員の会費についても前納制を日音協規約にも定めてありますが、実際は前納する地方支部は少数であり、会費納入が遅れることによる連絡等の事務処理等が増えてきています。事業活動とリンクする中で健全な財政活動をして行かなければ成りません。

2002年度活動方針(案)
1 はじめに

今年度は日音協にとって新たな決意で出発する年度になります。第一に個人会員の拡大、新たな地方支部を結成し、加盟組織の援助、協力を得ながら中期的な方向性を定めていく初年度と位置づけて行きたいと考えます。具体的には個別の方針の中で触れていきますが、私たちを取り巻く状況がますます厳しくなっていく中においても「つくり・うたい・ひろめ・つなぎあう」活動の基本の上に立って、多くの人に共感してもらえる創作曲、音楽現場を創り、そこに参加する人々の心が解き放たれ、解放された自由な時間と空間を共有し、人間性を取り戻し再確認できる様々なジャンルが混在する音楽現場を作り出す。そのためにはより高度な演奏力、良い作品(歌)を追求しながら、一方ではより多くの人が参加できる大衆性を求めていかなければなりません。
今、私たちは様々な規制と画一化を押しつけられています。この事はこれからますます強くなっていきます。こうした人間としての個性が無視されていく今の社会において、日音協が進める「人と人が集い、直にふれ合い交流する」「人と人をつなぎ合う」運動はますます強くもとめられています。しかし、今の日音協が組織的におかれている状況は、組織に支えられてきた運動からより自立した運動へとの分岐点に立っています。今年度一年をかけて次年度における組織的、財政的大改革を準備していかなければなりません。こうした大衆的でより高品質な運動を連合の大衆行動と強く連携しながら進めて行きます。こうしたことを基本にして具体的な方針を提起します。
2 組織活動
個人会員数四百名に拡大する取り組みを進めます。そのために新たな支部結成のとりくみを四国、関東エリアで行ないます。また、現在ある支部についても、更なる新たな活動の展開を含め、会員拡大につながる活動の充実が図れるよう取り組みます。
3  事業活動
前年度進めてきたCD制作の取り組みを踏襲しさらに進めることとし、公募方式による制作者選定を行ないます。このことにより、私たちの音楽を「かたち」にしていくと同時に、各支部及び中央の財政活動の一部としていくこととします。
連合の大衆行動に音楽部門として積極的に関わり、日音協をアピールしていきます。
各地で開催される集会等に音楽現場をつくることをめざし、演奏等の公演活動を行ないます。
楽譜ピース制作を具体化し、日音協の音楽を普及させるとともに財政活動の一環とするように努めます。
はたらくものの音楽祭の有料化を検討します。

4 機関紙活動
□紙面を充実させるためには生き生きとした音楽現場の報告が求められます。多くの仲間のアイデアと投稿で「読みたくなる」機関紙を追求します。
□毎月「1日」に読者に届くように努力します。よって、寄稿の締切を20日とします。
口読者を増やすため、中央、単産音協、支部、サークル一体となって取り組みます。少なくとも活動に結集する仲間が未購読でないようはたらきかけます。

5 財政活動
先行き不透明な財政収入状況を考慮すると、これまでの予算配分ではなく、かなり焦点を絞った予算配分にならざるを得ません。
基本はこれからの日音協運動を持続させていく必要な資金を確保すること。豊かな音楽現場を創り、会員拡大、支部結成に向けた取り組みにシフトした予算配分とします。

新入会員の紹介

★東京団結集会構成詩・音楽祭参加で加入

◆藤野佳子(練馬区職労)
小学校の調理員の藤野さんは現在区職労で女性部の常任委員、学校分会の執行委員で忙しく活動しています。音楽のジャンルはポップスが好きです。
昨年は日音協関東ブロック合宿にも参加、東京都支部の担い手として期待されています。

★九州地連で構成詩づくりと文化班に関わり加入

◆伊達忠亮(宮崎県日向市職労)
現在本部青年部の常任委員で文化担当です。この間文化班のお世話でがんばりました。テナーボイスを文化交流の際、死んだ男のソロで披露。素晴らしい歌声に、担当常任はこれでなくっちゃ!と励まされました。

★養成講座で歌唱力を買われなにかとオルグされ加入

◆下野佐由理(滋賀県本部書記局)
昨年滋賀県本部に採用され、書記として青年女性部を担当、西藤さんにと活動を共にし、影響されてしまいました。
歌うのが大好きで今回もソロに抜てきされました。一緒に歌った伊達さんともども、これからの活躍が期待される素敵な仲間です。


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