伊藤孝司 WEB写真展
 環境破壊と日本 


 人類は「進歩」や「発展」という名のもとに環境破壊を続けてきた。その結果、地球環境は危機的状況に陥ってしまった。
 日本の自然は、変化に富んだ気候の中で美しく豊かに育まれてきた。ところが明治以降のわずかな期間に、その宝物を食いつぶしてきた。もっとも大きく破壊されたのは山と川である。
 日本は、アジア太平洋戦争・戦後の復興期・高度経済成長期に、原生林や自然林を次々と伐採してきた。そこに植えられたのは針葉樹だった。その結果、山の保水力はいちじるしく衰え、大規模な洪水や土砂崩れがひんぱんに起きるようになった。
 国土交通省(旧建設省)や農林水産省は、コンクリートのダムでこうした災害を防ごうとしてきた。日本には現在、ダムと堰(高さ15メートル以下のダム)が約2700もある。

日本の政府と企業が行なっている環境破壊は国内だけではない。アジア太平洋の国々で、大規模な環境破壊と人権侵害を引き起こしている。しかも先住民族が被害を受けることが多い。
 大量消費社会を続ける日本は、物質的な「豊かさ」を維持するために海外で大規模な環境破壊を続けており、地球環境を悪化させている。この状態を容認するならば、私たち日本の消費者はアジア太平洋の人々と自然だけでなく、自分の子や孫に対しても加害者となる。

日本の川

日本の森林

日本の干潟

ダム建設 <インドネシア/フィリピン>

原発輸出・ウラン鉱山開発 <台湾/オーストラリア>

森林伐採 <オーストラリア/インドネシア/パプアニューギニア/ロシア>