インターネット週刊誌 “I.eye.愛” (aiaiai!)

『憎まれ愚痴』

1999.4.16.(金)発行:16号

目次


時事論説:「1寸の虫の5分の毒針」

テボドン&不審船:手近な成果

 日経1999.4.8.によると、以下のように、当初で90億円から完成で2000億円に至る「ご予算」が、テボドンを口実にして浮上し、不審船または工作船を契機に決定された。超大型のミサイル防衛構想に先駆ける「前菜」程度であろうか。
 政府方針90億円で情報収集衛星の設計・試作 三菱電機に発注 ⇒全文を読む

「モニカ戦争」コソボ空爆の歴史背景疑惑

 実は、ドイツとユーゴスラビア問題とは、深い関係があるのです。表面的な報道だけから見ても、ユーゴスラビア連邦の一部だったクロアチアの独立宣言を、一番最初に承認したのが、ドイツだったのです。この直後に私は、ギリシャに長期滞在し、サレエボ問題を取材してきた中山康子さんの話を聞きました。日本にきているセルビア人の話も聞きました。ドイツの動きの背景には、戦争中に溯る人脈、さらには残存利権があります。バルカン半島に進出し、その後、共産主義政権下で国有化されていたドイツ企業の「株券」が残っているのです。それらのドイツ企業には、アメリカ資本も加わっているのです。
 さらに恐るべきは、その過去の人脈です。東欧がソ連の支配圏に入るに当たって、元ナチス協力者は、一部はドイツ、大部分はアメリカに亡命しました。それを手伝ったのが、今では爆撃基地を提供しているイタリア半島の「反共の砦」ヴァチカンでした。⇒全文を読む


長篇連載記事

●連載:連載:シオニスト『ガス室』謀略周辺事態 (その16)「ガス室」判決全文目次(その3)

●連載:連載:本多勝一"噂の真相"同時進行版 (その16) 本多勝一の同志「朝日『重鎮』」井川一久「改竄疑惑」

 ベトナム戦争を描いた小説はかく改ざんされた! 製本会社経営・おおかわ・ひとし 大川 均
 ベトナム戦争を描いた、ハノイの作家バオ・ニン(元北ベトナム軍兵士)の「戦争の悲しみ」は悲しい小説だ。著者の分身ともみえる主人公、北ベトナム陸軍の志願兵キエンは、米軍との南ベトナム中部高原での合戦で全滅した大隊の、わずか数人の生き残りの一人だ。瀕死の重傷の癒えるのをまって戦線に復帰し、米軍、南軍と死闘をつづけ、戦後、遺骨収拾隊員としてジャングルを経巡った後、除隊して作家になるが、戦争の心的外傷(ルビ:トラウマ)から逃れられず、幼馴染みの歌姫フォンとの恋にも破れ、ついには精神の崩壊へと進む。
 この戦争小説は、北ベトナム軍の、どこの国の軍隊とも共通する、善悪とりまぜたありのままの姿を描いている。そのために軍当局の不興を買い、また却ってそのために英語、フランス語その他十数か国語に訳されて欧米で高い評価をえた。そして欧米での評価が高まるほど、国内での作者の立場は困難になった。今でもやはり「人民の軍隊は正義の軍隊」という看板をはずすことは許されないのだ。1991年に2000冊印刷された初版は出版と同時に絶版とされた。⇒全文を読む

●連載:連載:仰天!武蔵野市『民主主義』周遊記 (その16) 塩漬け用地“隠れた公的資金投入”説の報道例

 下記の記事が『生活と自治』1999.4月号に載った。『生活と自治』は略称「生活クラブ生協」こと「生活クラブ事業連合生活協同組合」の連合会の機関紙で、この生協の運動を基盤にした「生活者ネットワーク」が、いくつかの地方自治体で議員を出している。
 ただし、記事そのものが「生活者ネットワーク」の政策になるわけではない。
 『生活と自治』は、すでに3年前の1996年6月号でも、土地開発公社問題を取り上げていた。記事の末尾に記されている署名の「本紙編集室・内野祐」は、私の日本テレビ相手の争議中に読売新聞グループの取材を担当した元『週刊現代』記者である。⇒全文を読む

●連載:連載:元日本共産党『二重秘密党員』の遺言 (その16)「渾名はクレムリン」による告発も拙劣な偽善

 中央委員会などと意見が違うことがあれば、規約に基づいて権利を行使し、意見書を提出していた。正面から喧嘩腰で論争を挑んだこともある。その私から見れば、元特派員は、ごく少数の外信部員らしか知り得なかった重要な事実について、外電を訳してデスクに送る程度の「なまぬるい活動」しかしていないのである。それを官僚主義者の上司で自分よりも若い現衆議院議員の緒方靖夫に怒られて、ケツをまくるでもなく、子供がすねるように「離党通告」して、その後、6年も沈黙していたのである。
 この種の怪しげな「善人」「正義の味方」気取りの連中を考える上で、私は、日本共産党の「科学的社会主義」などという言葉の遊びよりも、イギリスで最初の共和制を実現したピューリタン革命期の思想の代表作『リバイアタンの著者、ホッブズの「万人の万人に対する戦い」、さらには「人は人に対して狼である」という喝破を推奨する。
 偽善に飽き飽きしたところで、一服の清涼剤と、今後の議論の参考のために、それらのイギリスの思想潮流に通じていたはずの中野好夫の短文を紹介したい。⇒全文を読む