『亜空間通信』951号(2005/01/25) 阿修羅投稿を再録

NHKと朝日新聞「政治介入」抗争は落ち目のナベツネ読売を尻目のメディア政治権力主導権争い

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『亜空間通信』951号(2005/01/25)
【NHKと朝日新聞「政治介入」抗争は落ち目のナベツネ読売を尻目のメディア政治権力主導権争い】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 NHKと朝日新聞の従軍慰安婦番組への「政治介入」を巡る抗争に関する一般の議論の根底には、大いなる誤解が潜んでいる。

 「介入」とか「圧力」に関しては、むしろ、逆で、巨大なメディアの方が、まとまりの悪い政権党よりも、遙かに強力なのである。

 自民党の幹部が、NHKに「政治介入」という理解は、ド素人には分かり易い構図だが、短絡もいいところなのである。

 むしろ、メディア権力のボスの方が、政治に介入しているのである。

 今回の抗争の背後には、一般の理解を遙かに超えるNHKと朝日新聞の両者のメディア政治権力の主導権争いが潜んでいる。

 自民党への影響力で言えば、読売新聞のナベツネが、これまではダントツだった。メディアのボスだった。ナベツネは、「自民党寄り」と言われると、「俺が自民党を指導しているのだ」と言っていた。

 読売新聞は、過去、首相も外相も出していた。ナベツネの直接の先輩、正力松太郎は、公戦後に公職追放、A級戦犯になったために、首相にはなれなかったが、閣僚にはり、しかも、自由党と民主党の保守合同、今の自民党の体制の仕掛け人だった。

 ところが、その読売のナベツネが、驕り高ぶって、「たかが選手の分際」などとほざいてしまって、不人気の谷底に落ち込み、さらには、日本テレビの株の名義貸し問題まで暴露されてしまって、今は水底に沈んでいる

 その間隙を縫って、朝日新聞が、もう一つの巨大権力、NHKに逆らい、「俺がボスだ」と宣言し始めたと考えれば、事情が分かり易くなる

 新聞社から見れば、電波メディアは、子分なのである。しかし、同じ電波メディアでも、NHKには別格の権力がある。そこが面白くないのである。

 折から、NHK会長、エビジョンイルの辞任表明が伝えられた。後任は、一般には無名の技術系だから、政治力は乏しい。朝日新聞の政治的な主導権確保への道は開けたと言える。

 しかし、朝日新聞の「顔」が見えない。今回の取材で名の出た本田雅和は社会部の平記者で、しかも下品な小物、悪餓鬼でしかない。

 朝日新聞社からは、過去、首相になった緒方竹虎や官房長官、自民党の幹事長になった橋本登美三郎も出ている。今は、ナベツネやエビジョンイルに匹敵する政治部記者が、いるのか、いないのか

 朝日新聞の社員は、「朝日組」と呼ばれるような一家意識を強く抱いている。この意識が、これから、どう発揮されるか、じっくり見物しよう。

 以上。


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