子どもに関する事件【事例】



注 :
被害者の氏名は、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
S060831 学校災害 2014.5.23新規
2006/8/31 福岡県北九州市の県立八幡中央高校で体育の授業中、体育祭に向けて柔道場で組体操の練習中、男子生徒(高2)が同級生に肩車をしてもらった際にバランスを崩して後方に転落し、首を骨折。胸から下がまひし、身障者手帳1級の交付を受けた。
経 緯 事故が起きたのは、支え役の肩の上に立ち上がる「電柱」という演目の初日の練習中だった。
待機中の生徒の一部がお互いに肩車の態勢をとりあっているとき、男子生徒(高3)がバランスを崩し、土台の生徒の肩に両足をかけたまま後ろに反った状態になり、後頭部から落下した。

事故当時、柔道場には76人もの生徒がいたが、監督の教師は6名だった。
裁 判 2009/ 元男子生徒と両親が、福岡県を相手取り、約1億円の損害賠償を求めて提訴。
判 決
(一審)
2011/4/26 福岡地裁小倉支部で、原告の訴えを一部認め県に約622万円の支払いを命じる。(確定)

青木亮裁判長(金光健二裁判長代読)は、事故現場の柔道場には教諭が6人いたのに「注意義務に違反した」として、教諭側の過失を認定。

「組体操、特に電柱の練習の場合には落下の危険が伴うので、教師の意識が練習に集中して待機中の生徒への監督がおろそかになりがちで、気が緩んだ待機中の生徒が自主練習や関連する行為をするおそれがあること、従って、もし待機中の生徒がこのような行為をしていたら中止させる義務があり、練習者の監督と待機中の生徒の監督と予め役割分担することも必要になること、肩車は、男子高校生の生徒の体重を考えると、(子供と大人が肩車をする場合とちがって)バランスを崩したり等する危険な行為であること、高校生は血気盛んな年頃であり、自己の運動能力を試してみたいとの欲求が生じても不思議はなく、高校の教師であればそのような生徒の実態を認識していたはずであること、従って教師は(練習者だけではなく待機中の生徒の含めた)全体に注意を向けるべきであったのにこれを怠った過失がある」と認定。

判決では「男子生徒が待機中にふざけて肩車をしてもらい、意図的に後方に体を反らしたために落下した」と認定。そのうえで「教諭らは血気盛んな男子高校生の実態を認識していたはずで、意図的に体を反らせることも予見可能の範囲内に含まれる」と指摘。
ただし男子生徒にも7割の過失相殺。
参考資料 2009/6/15朝日新聞、北九州第一法律事務所ウェブサイトhttp://bit.ly/1k9XKkW、山岸弁護士ブログhttp://blog.livedoor.jp/bengoshi_yamagishi/archives/51647335.html




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