5月11日:映画「オッペンハイマー」を批判する

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        映画「オッペンハイマー」を批判する

        反戦・反原子力・反ジェノサイド運動の課題 
        
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●日 時:5月11日(土)13:30~15:30

●会 場:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6階マルチメディアスタジオ
     (広島市中区袋町6-36)(袋町小の建物です)
     http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html
(地図)
●参加費:1000円

●内 容:
 
  問題提起
  
   田中利幸

  コメント

   西岡由紀夫(被爆2世、ピースリンク広島・呉・岩国世話人)

   岸 直人 (教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま)

   湯浅正恵 (広島パレスチナともしび連帯共同体)

  討論

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 天皇制日本軍国主義によるアジア侵略戦争の敗北、米軍による沖縄戦、広島
・長崎への原爆無差別大量虐殺から79年が経とうとしています。

 この間の世界情勢は、ミャンマーでの国軍クーデター、ロシア・プーチン政
権によるウクライナ侵略戦争、G7対ロシア、米・中対立の激化、南北朝鮮の
軍事的緊張、イスラエルによるパレスチナ・ガザへのジェノサイド(民族大量
無差別虐殺)戦争など、広島の平和運動にどう応えるのかを突き付けています。

 国内情勢は、安倍なきアベ政治を広島選出の岸田首相が行っており、「東ア
ジアでの戦争準備・大軍拡路線」「原発再稼働・被曝大国化」「戦後民主主義
の解体」を止められるかどうかの正念場です。

 2016年のオバマ大統領の広島訪問、2023年のG7広島サミットの開催、米バ
イデン大統領、英スナク首相、仏マクロン大統領、印モディ首相という核保有
国首脳の広島訪問、パールハーバーとの姉妹「公園」協定といった一連の流れ
は、「核兵器を抱きしめて」いる米国が、「ヒロシマを抱き寄せる」ための様
々なアプローチです。グラウンド・ゼロの広島が持っている「核ジェノサイド
の原点」という意味のシンボルをなし崩しにし、広島を「核抑止力=米国の支
配の下での<平和維持>」というシンボルに変えてしまおうという動きです。

 映画「オッペンハイマー」は、米国軍・産・学複合体による広島・長崎への
ジェノサイド攻撃を残念ながら批判できずに、「原爆攻撃正当化論」という
「原爆神話」を新たな巧妙な手法で強化しています。

 その上、地球沸騰化と言われる気候変動問題をこのまま放置しておけば、人
類を含む全ての生物の存亡を左右する危機が私たちの目の前にまで迫っている
ことも明らかです。
 
 田中利幸さんの一時帰国を活用し、ぜひ、活発な意見交換の場を!   

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●主  催:8・6ヒロシマ平和へのつどい2024準備会
      ピースリンク広島・呉・岩国
      戦争させない・9条壊すな ヒロシマ県北行動
      人民の力協議会
      
●賛同団体:G7広島サミットを問う市民のつどい
      教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま
日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク
      韓統連・広島本部
      
●問合せ先:takenaruaki@gmail.com
09047404608(久野成章)      
      
 お願い :引き続き、賛同団体を募っております。

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(参考)

今週火曜12日に、映画「オッペンハイマー」の日本国内初の試写会が広島市内
で開かれ、高校生や大学生110名が招待されたそうです。試写会後には元広島
市長の平岡敬さんら3名が感想を述べあったとのこと。この映画は今月29日か
ら全国公開になるとのことです。

ご覧になる前に、私が書いたこの映画の批評に目を通していただければ光栄で
す。

和文

http://yjtanaka.blogspot.com/2023/11/blog-post.html

英文

http://yjtanaka.blogspot.com/2024/01/film-oppenheimer-and-a-bomb-myth.html

私の考えでは、この映画の決定的な問題点は、オッペンハイマーが広島・長崎
への原爆攻撃直後から、原爆開発に加担したことに痛く後悔し精神的に苦しん
だことをドラマティックに描写しながらも、結局は「原爆のおかげで戦争は終
わったのであり、その結果、戦争が続いていればさらに百万人という数の死者
が出たであろう」というアメリカ政府が創り出したあからさまな嘘=「原爆神
話」を正当化してしまっている、ということにあると思います。

昨年この映画が欧米各国で公開された折には、多数の映画評論が出ましたが、
この「原爆神話正当化」問題を指摘した評者は、私が知る限り、一人もいませ
ん。よって、原爆無差別大量殺戮の被害国である日本の市民、とりわけ広島・
長崎の市民こそが、この映画が世界各国で発信している「原爆神話正当化」を
厳しく批判する声を、世界に向けてあげることが必要だと思います。さもなく
ば、すでに世界中に拡散している「原爆神話」というあからさまな嘘=「歴史
事実に対する侮蔑」をさらに浸透化させ、結局は「核兵器使用」と「核抑止力」
の正当化をますます強化することになります。

Wake up Hiroshima & Nagasaki ! 目覚めよ、広島・長崎!

田中利幸

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