ダグラス・ラミスさんへのインタビュー:憲法、沖縄そして戦争を語る

沖縄在住でノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会の共同代表のダグラス・ラミスさんに、「つどい」の呼びかけ人のひとり、田中利幸(オーストラリア在住)がインタビューを行ないました。ラミスさんは、丁度新著、War Is Hell: Studies in the Right of Legitimate Violenceを刊行したばかりであり、インタビューアーの田中さんもまたEntwined Atrocities: New Insights into the U.S.–Japan Allianceを刊行されたばかりです。このインタビューは日本語で行なわれました。

インタビューを終えて(田中利幸)

ダグラス・ラミスさんにお話を伺い、いろいろなことを教えられました。関西、東京、沖縄といろいろな場所に住まわれた体験から、沖縄の文化が日本の文化と決定的に違っていること、その文化の違いがあるからこそ、日本に抱き込まれることなく、日本政府にも米国に対しても抵抗と批判を長年にわたって続けることができた、という意味のラミスさんの最後のご発言にいたく感動しました。

このラミスさんの言葉で思い出したのが、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス教授を務めた森嶋道夫(1923-2004年)が1999年出版の自著『なぜ日本は没落するのか』の中で提言したアイデアです。この著書の中で森嶋は、(1999年)現在のままの政治経済社会体制を持続するなら日本は2050年には没落すると予測し、それを避けるための一つの有効な方法として「東アジア共同体」の構築を提唱しました。この「東アジア共同体」は、「中国を例えば6ブロック、朝鮮半島と日本を各2ブロックにそれぞれ分け、台湾を1ブロックとし、沖縄(琉球)を独立させてそこに首都を置く。共同体の首都はEUのベルギーのブリュッセルのように小さい国に置くのがよい」と、森嶋は述べています。森嶋のこの提言は、沖縄の独自の文化を深く理解した上での達観であったと私は思います。

残念ながら、日本は2050年どころか、もうすでに没落への道を急速に滑り落ちつつあるのではないでしょうか。これをなんとしても市民の連帯力で押し留め、将来の市民の命と生活をまもる責任が現在の私たちにはあると、私は思います。

田中利幸

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