高市政権に抗う新しい波 

   渡辺眞知子(東京一区市民連合共同代表) 

 2026年2月衆院選で、改憲に強い意欲を持つ高市首相が率いる自民党が圧勝し、憲法改正発議ができる3分の2を超える316議席を獲得した。この状況下で、市民は新しく動き始めた。

2月22日市民連合主催の「市民と野党の共同アクション」(有楽町)には、300人の予想を超えて約1000人が参加し、2月27日首相官邸前の「平和憲法を守るための緊急アクション」(憲法9条壊すな!実行委員会とWE WANT OUR FUTUREの共催)には3600人が参加した。WE WANT OUR FUTURE(WWOF)は、高市改憲への危機感から動き始めた市民のグループで、アーティストなど30代の女性が多い。

3月10日国会正門前の同緊急アクションには、SNSで知った人若い人、初めて声を上げる人たち8000人が集まり、「風が吹いても消えない」という抗議の意思の象徴のペンライトや花を持ち、「平和をまもれ」、「高市やめろ」、「憲法変えるな」をコールした。スマホで検索して憲法前文、9条、13条、99条を唱和する声が夜空に響き渡った。

3月19日「安保法制の廃止を求める19日行動」には11000人が集まり、国会前、周辺の歩道は参加者で埋め尽くされた。

 3月25日の同緊急アクションには雨天の中24000人が参加し、歌手の坂本美雨さんは「憲法は日常の中にある小さな幸せを守るために絶対に必要なもの。手放してはいけない。」と訴えた。仕事帰りの人たち、小さな子どもたちも両親と共にペンライトを手にし、私も初参加者と共にペンライトを手にコールを繰り返した。WWOF のEriさんは、「2015年夏の安保法デモの時は聴衆の1人で、取り組みを本格化させたのはここ5、6年のこと。官邸前のデモとお店でのイベントを同じトーンで言えることが大事。政治は生活そのものだから、政治を語るのはタブーではない。」と話す。

この市民の活動は国境を越え中東各国でも報道され、大きな共感を呼び、中東アルジャジーラのSNS合計閲覧数だけでも既に100万を超えているという。

この抗議アクションは、全国にさざ波のように拡がっている。東京・清瀬市長選挙(3.29投開票)では、現職に2000票もの差をつけて共産社民推薦候補が勝利した。これには日本独自の活動を繰り広げている市民連合の運営委員である菱山南帆子氏と原田博美市長候補との2連ポスター、「20区 宮本徹さん勝手連」の活動など、市民中心の選挙活動が大きく貢献した。

2026年3月19日の日米首脳会談で、高市首相はトランプ大統領の胸に飛び込んでハグし「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ。ホルムズ海峡への艦船派遣については『法律』の範囲内でできることをしっかり行う」と発言した。憲法9条の制約がある自衛隊任務の理解を求めて、高市首相は日米首脳会談を乗り切った。 

高市首相は国会報告では「日本国憲法」と言わずに「法律」と表現したが、憲法9条が自衛隊員の命をまもったのである。多くの市民の「憲法まもれ」のコールは天に届いたと言えよう。

<なお、初出は、北京JAC(世界女性会議ロビイングネットワーク)発行のマンスリー「北京JAC」。>


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コメント

“高市政権に抗う新しい波 ” への1件のフィードバック

  1. ミワ タカシのアバター
    ミワ タカシ

    日本の大手メディアが、まったく政権ベッタリになっていること自体を
    問題にすると共に、国外のジャーナリズムがどう報じているかに目配り
    したいものだと思います。

    そんな目配りがなければ、ともすると「自分たちが戦争に巻き込まれな
    い」ことだけを心配する言うなれば被害者平和主義に閉じこもり、日本
    のいわゆる「防衛力強化」、武器輸出によって殺害され暮らしや社会を
    壊される私たちと同じ人々が視野の外になりかねないのはないでしょう
    か。

    いま高市政権のもとで加速されている軍拡は、米国に従う加害国として
    この国を全面的に改編することを目指しているのだとしたら、日本の国
    境を越えて、平和と人間の尊厳をめざす人々とつながることが決定的に
    大切になっていると感じます。

    以下、好きでもない英語による報道ばかりですが、ご参考までに気付い
    たものを貼り付けます。

    武器輸出促進については、次 0) の報道:

    0-1) NYT 26/04/20 J.C.Hernandez
    Japan to Sell More Weapons Abroad, Breaking With Postwar Pacifism

    https://www.nytimes.com/2026/04/20/world/asia/japan-weapons-arms-sale-nato.html?searchResultPosition=2
    0-2) BBC 26/04/21
    Japan loosens arms export rules in break from post-WW2 pacifism
    https://www.bbc.com/news/articles/clyx4vlqy4vo

    0-3) Al Jazeera, 26/04/21
    Japan lifts ban on lethal weapons exports in major shift of pacifist policy

    https://www.aljazeera.com/news/2026/4/21/japan-lifts-ban-on-lethal-weapons-exports-in-major-shift-of-pacifist-policy

    そして平和運動の新たな高揚についても以下の報道が見つかります:

    1) The Guardian 26/04/22 Justin McCurry
    ‘Stop sucking up to America’: Japan’s youth rises up to protect pacifist constitution

    https://www.theguardian.com/world/2026/apr/22/japan-youth-pacifist-constitution-trump-iran

    2) BBC 26/05/07 Kurumi Mori
    Anti-war protests rock Japan as PM pushes for stronger defense

    https://www.bbc.com/news/articles/c4g93v8jqnyo

    Why is Japan rethinking its anti-war stance?
    https://www.bbc.com/news/videos/c98ryz2v63jo

    3) The Guardian 26/05/04 Justin McCurry
    Japan sees largest protest in support of pacifist constitution as PM Takaichi pushes revisions

    https://www.theguardian.com/world/2026/may/04/japan-sees-largest-protest-in-support-of-pacifist-constitution-as-pm-takaichi-pushes-revisions

    4) NY Times, 26/05/09 K.Notoya & J.Yoon
    Why Antiwar Protesters Are Rallying in Japan

    https://www.nytimes.com/2026/05/09/world/asia/japan-antiwar-protests-constitution.html?searchResultPosition=3

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