渡辺眞知子 (東京1区市民連合共同代表)
2024年5月、私は第五福竜丸展示館前から出発する平和大行進に参加しました。出発前には、久しぶりに第五福竜丸展示館を見学して核兵器反対の思いを心に刻みました。
1954年3月1日、太平洋・ビキニ環礁で操業中のマグロ漁船第五福竜丸は、米国の水爆実験(広島型原爆の1000倍規模)に遭遇して被曝し、人工放射性降下物(死の灰)は周辺の島々の住民にも降り注ぎました。日本政府の調べだけでも856隻の船が被災し、放射能を浴びた魚は家庭の食卓を脅かし、500トン近い魚が廃棄されました。高く吹き上げられた死の灰は日本の上空にも飛来し、放射能は4月から夏にかけて日本の雨の中に検出され続けました。
帰国した乗組員達の健康被害から、被爆による放射線障害の実態を国民が知ることになり、第五福竜丸無線長の久保山愛吉さんが、「原水爆の被害者は、私を最後にしてほしい」という言葉を遺して亡くなると、核実験反対の世論は高まりました。原水爆禁止を求める3200万筆に及ぶ署名は、第一回原水爆禁止世界大会(1955年8月6日)を広島で開催する大きな原動力となりました。
その後、処分を免れた第五福竜丸は東京水産大学(現東京海洋大)の練習船に使われていましたが、老朽化により廃棄され、木造の船体は、当時東京のごみ処分場だった「夢の島」の泥の中で朽ちかけていました。1968年、「沈めてよいか第五福竜丸」という新聞への投書をきっかけにして、第五福竜丸の保存運動が始まりました。市民、学者、文化人、宗教者らによる保存委員会が発足し募金運動が始まり、1976年、都立第五福竜丸展示館が開館しました。
市民の平和への願いによって守られた第五福竜丸は、原水爆のない未来への航海を今も続けています。
場所 東京都江東区夢の島2-1-1 夢の島公園内
交通 JR京葉線・地下鉄有楽町線・りんかい線「新木場」駅下車 徒歩10分。
都営バス「夢の島」バス停下車、徒歩5分
開館時間 9時30分~16時 月曜休館 ※月曜が祝日のときは開館し火曜休館 入場無料 TEL 03-3521-8494
第五福竜丸展示館のHP http://d5f.org/
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