
(c)落合由利子
吉開菜央さんの活動はじつに幅広い。ダンスに映像制作、オペラ演出や米津玄師のミュージック・ビデオへの出演・振付、等々。その領域横断的な表現を貫く中心軸のように「身体」がある。世界を身体という言語で理解するように、「腑に落ちる」とも、よく口にする。
「小学校の頃から歌が好きで、自然に体で歌うようになりました。それが、踊り」 大学に進んで身体表現の可能性を探るうち、映像作品をイメージしながら踊っている自分に気づき、ならば自分で映像作品を作ってしまおうと、映像を広く学ぶ大学院へ。 新作『まさゆめ』では、過去と現在を多様な映像でつなぎながら、生と死について自省していく。その出発点は、自身の辛い体験だった。
「私生活と仕事のストレスが重なって自分をうまく舵取りできず、うつになり。それを反転させようと無理に明るくふるまううち、今度は躁うつ混合の状態になって。うつ病だった母の突然の死もあり、創作する力が失せました。躁状態は本当に苦しかったです。思ったことをすぐ口に出して人を傷つけ。でも、そうして吐き出さないと生きていけないという感じでした」
少し落ち着いた頃、映画『土を喰らう 12ヵ月』を見て禅寺での修行を思い立つ。 それは濃密な体験だった。夜明け前に起床し、太極拳、座禅、修行としての食事、作務。その間に修行者同士の交流もあり、「その一つ一つが、法話も含めて、自分の心身に突き刺さりました」。 例えば「人間の命に価値はないんですよ」と和尚は説く
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