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ふぇみんの書評

生きられた障害 障害のある人が、妊娠、出生前検査、親や子どもについて、語ったこと

二階堂祐子 著

    生きられた障害 障害のある人が、妊娠、出生前検査、親や子どもについて、語ったこと
  • 二階堂祐子 著
  • 洛北出版2600円
  「生まれないほうがいい(胎児)」という考えを内包する出生前検査。それに反対や違和を表してきた障害者たち。本書は「障害」を自認する人が、出生前検査に対し、どう受け止め、考えているのかを、インタビュー調査や障害者運動の資料から考察している。出産経験のある人を含めた女性の障害者8人と、男性の障害者4人への聞き取りが詳細に記録され、著者の真摯な姿勢や丁寧な分析と、障害者たちの率直な語りが心に響いた。  著者は分析の過程で、検査で診断・分類される〈名としての障害〉と、さまざまな経験が折りたたまれた〈生きられた障害〉という視座を持ち、〈生きられた障害〉の軌跡や経験による変容を知ろうとせず、〈名としての障害〉に実体や本質を見ようとしたり、障害者に抗議を期待する社会を問う。本書は〈名としての障害〉しか見ない人々や社会構造を、静かに告発しているのではないか。(ぱ)

臆病者の自転車生活

安達茉莉子 著

  • 臆病者の自転車生活
  • 安達茉莉子 著
  • 亜紀書房1600円
運動が不得意で、パンツスタイル大キライ、という著者の、考えもしなかった自転車を相棒にした生活が始まった。新しいことにはちょっとビビりながらという、著者の気持ちがよくわかる。でも、周りの自転車好きに励まされて、さあ、始めるぞ、と決めると、途端に馬力がかかるのだ。  自転車の性能や良い点を徹底的に比較して、購入したのは見た目も自分好みの電動自転車。長年の生活スタイルが自分の内側から崩されていくのを、「固い地盤の下から、ムクムクと木が生えてくる」と表現する。そして友と向かった鎌倉や真鶴(著者は横浜在住)。ロングライドも、雨やパンクも乗り越えて、ペダルをこぎ出したら、行きたい範囲がどんどん広がる。自転車に乗ることで手にした自由! なんと、2台目にロードバイクも買って果敢に挑戦する!  だんだんと自分が愛おしくなってくる気持ちもいいなあ。未知への旅をしたくなること請け合い。著者のイラストにもなごむ。(三)

道一つ越えたら崖っぷち  性売買という搾取と暴力から生きのびた性売買経験当事者の手記

ポムナル 著 古橋綾 訳 李美淑 監修

  • 道一つ越えたら崖っぷち  性売買という搾取と暴力から生きのびた性売買経験当事者の手記
  • ポムナル 著 古橋綾 訳 李美淑 監修
  • アジュマブックス1800円
韓国人の著者は貧困家庭で虐待を受けて育ち、中学校中退後に家計を助けるために工場へ。そこは低賃金、過酷な労働、セクハラが日常茶飯事。収入がよく、家族同然の親身を装うオーナーや紹介屋(仲介者)らがいる性売買の世界は魅力的に見えたが、一旦入ると前借りや諸々の罰金で借金漬けにされ、買った男や店主らの暴力に耐えつつあらゆる形態の店を20年転々とした。2004年に性売買特別法ができても、前借りが違法との判決が出ても、性売買はなくならず、人権が飯を食わせてくれるのかと思ったという。その後、女性人権支援センターにつながり、トラウマや自責感に苛まれながらも、自分の経験が暴力や搾取だったと気づいていく―。  著者の#MeTooでもあり、性売買の実態や構造、性売買と女の人生の近さを詳らかにした貴重な書。日本の巧妙化した性売買を解明する一助にもなる。(傳)
【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月800円、3カ月2400円
 6カ月4800円、1年9600円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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