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ふぇみんの書評

地球が燃えている 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言

ナオミ・クライン 著 中野真紀子、関房江 訳

    地球が燃えている 気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言
  • ナオミ・クライン 著 中野真紀子、関房江 訳
  • 大月書店2600円
原題は『On Fire』、「この地球が火事だ!」と乱打される警鐘が聞こえる。本書は、『ショック・ドクトリン』で世界中の注目を集めたジャーナリストでアクティビストのナオミ・クラインのルポルタージュや講演をまとめたもの。しかし単なる気候変動の警告書ではない。気候危機とはヘイトクライムや社会的不平等、難民、雇用問題等が互いにつながった重複した危機であり、根本原因の、制約なき自由主義経済の解体に取り組まねば解決しないと著者は書く。  解決には、再生可能エネルギー中心にインフラから産業構造までを根本的に見直すグリーン・ニューディールを進めることとされるが、ここでクラインは先住民や女性やマイノリティーなど従来の経済から排除されてきた人々が中心的役割を果たすのが大切と書く。この緊急事態をどう切り抜け、どんな未来を築くか、ポジティブな主張に背中が押される。(公)

少女マンガのブサイク女子考

トミヤマユキコ 著 笹生那実 漫画

  • 少女マンガのブサイク女子考
  • トミヤマユキコ 著 笹生那実 漫画
  • 左右社1700円
少女マンガの世界で、「どうでもいい存在」「モブキャラ」として扱われがちなブサイクが主人公の作品を列挙し、考察した書。  いるわいるわ、あらゆるタイプが。「ブサイクでも恋がしたい!」と奮闘する主人公、メイクや整形で「カワイイ」を「つくる」女子、ぼんやりおっとり系、ネクラでダサい性格ブスetc。ブサイクは、実に幅広く多様だ。  若年の読者にとって美醜の問題は深刻だ。「中身が大事」と言っても外見が左右する厳しい現実を彼女たちは生きている。一体「見た目」とは何? 各作品は入れかわりや整形、美醜姉妹などの題材を通し、ブサイクの視点から私たちに問いかける。  ブサイクまるごとハッピーエンドの場合もあれば、その逆もある。乙女たちはそれぞれに、ダメで、不器用で、ひたむきだ。その姿は、どこか私のようで、誰かのようで、切なく、やっぱり可愛い。ブサイクだけどモブキャラにはしない、作家たちの温かさが伝わる。(梅)

「犠牲区域」のアメリカ  核開発と先住民族

石山徳子 著

  • 「犠牲区域」のアメリカ  核開発と先住民族
  • 石山徳子 著
  • 岩波書店3500円
 “人種のるつぼ”から “ミックスサラダ”へと、多民族性を表す言葉は変わったが、それは平和裡に作られたものだったのか。移民の国アメリカという言い回しは、無人の荒野ではなく、侵略・虐殺・追放・隔離の上に成立している。  BLMの盛りあがりで人権を考えるきっかけはできたが、先住民族は置き去りにされたままだ。彼らがウランの産出・精製・最終処分という、核関連施設との同居を強いられていることを知る人は少ない。健康被害だけではなく、生きるための場がいかにして奪われてきたのかを、本書は苦渋のうちに描き出す。  しかし、経済大国アメリカを支えているのは、世界最強の軍事力であり、核抜きで考えられないこともまた確かな事実だ。不公正ではあるが、この犠牲区域の上に築かれた繁栄を、どうやって手放すことができるのか。コロンブスから500年、核開発から80年が過ぎた。この問題を解決するためには、まだ相当の時間を要するに違いない。(た)
【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月800円、3カ月2400円
 6カ月4800円、1年9600円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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