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インタビュー

沖縄「なはーと」で企画制作する

土屋わかこさん

  • 2025.6.5
  • 聞き手…謝花直美
  • 撮影…謝花直美

土屋わかこさん

(c)謝花直美

演劇を通して地域を紡ぐ

 2021年に開館した「那覇文化芸術劇場なはーと」は新しい文化の拠点として地域に根付く。沖縄の人々と本土の人々が共同でつくる舞台など、新しい風に観客は魅了される。そんな舞台を送り出しているのが劇場の制作者・プロデューサー(企画制作専門員)の土屋わかこさんだ。

 

舞台芸術を志したのは新体操選手だった高校生の時の体験からだ。憧れの選手が国際大会で完璧な演技にも関わらず優勝を逃した。「国や人種で順位が決まる」。自身は県代表チームにも選ばれたが、自分より実力のある小柄な同級生はもれた。見た目で点数がつくスポーツではなく、芸術表現を学ぼうと大学へ進んだ。同級生には「すごい面白い人たちがいた。そんな人たちを紹介する仕事がしたい」。俳優や演出など表舞台から見える仕事ではなく舞台制作者を志した。

 

那覇文化芸術劇場なはーとでは、地元作家の作品や琉球芸能、音楽もクラシックやジャズなど幅広い企画にスタッフが取り組む。土屋さんは演劇をメインに担当。「沖縄の劇場で自主創作を発表する数少ない劇場。県内外の人の新しい視点をとりいれながら一緒に成長していきたい」

 

 柱の一つが「出会い」シリーズだ。第1作はJ・コクトー「声」。京都で活躍する和田ながらさんを招き、沖縄の演出家・新垣七奈さんがタッグを組んだ。現代風の若い女性が時代がかった女性言葉で演じる一人芝居。女性へ向けられる視線と現実のギャップ。それにいかに向き合うのか、古典的な作品にちりばめられた数々の問い。「戯曲の中にある腑に落ちないものをアーティストに託して、違う側面から掘り下げて解釈する。何も疑わずに読むのではなく、疑問をもって解釈して一緒に悩んでほしい」と期待する。新しい出会い、新たな解釈で舞台を作り続ける。

        続きは本紙で...


つちや わかこ

1982年静岡県生まれ。京都造形芸術大学(現京都芸術大学)で舞台芸術を学ぶ。長野県の「まつもと市民芸術館」制作専門員を経て、2020年に沖縄へ。22年から「那覇文化芸術劇場なはーと」の企画担当。

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