(c)落合由利子
衆議院議員選挙が公示され、立候補者も出揃った。しかしその中に25歳未満の若者はいない。2016年に選挙権年齢は18歳以上になったが、被選挙権年齢は、戦後70年以上経った今でも、25歳以上のままだからだ(都道府県議会議員、市区町村長・同議会議員も。参議院と都道府県知事選は30歳以上)。
23年7月、19歳から25歳(当時)の6人が、公職選挙法の規定は、国民主権に由来する被選挙権や法の下の平等などを保障した憲法に違反するとして「立候補年齢引き下げ訴訟」を提訴した。Chico.さんは原告に誘われた時、すぐに参加を決めた。 「政治家になるしか社会は変えられないのかなって感じていた時だったんです。国民として重要な権利である参政権の中で、被選挙権に非合理的な年齢制限があることで、社会を変える一歩目が閉ざされているなんておかしいって思いました」
OECD 36カ国中22カ国は立候補年齢(下院)を18歳に、10カ国は21歳にしており(国立国会図書館編「主要国における被選挙権年齢(資料)」等)、近年では英国や仏、韓国のように立候補年齢を選挙権年齢と同じ18歳に引き下げる国が多い。しかし過去の政府答弁では具体的根拠を示さず、立候補年齢は「社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定されている」と繰り返し説明されてきた。
長崎県の家父長制が根強い地域で育った。親族の集いでは、女性たちは台所で料理をし、上座に座る男性たちに酒を注ぐ。 「物心がついた時から違和感がありました。シンプルに、みんなで一緒にご飯を食べたほうが幸せなのにって思いましたし、女性が一人の人間として尊重されている感じがしなかった」
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