(c)宇井眞紀子
その手の平に、白い花のコサージュを包み込むように大切に載せてこちらを見ているのは、作家・漫画家・アーティストの小林エリカさん。
小林エリカさんは、今年5月に『女の子たち風船爆弾をつくる』を刊行した。先の戦争中、和紙をこんにゃく糊で貼り合わせた「風船爆弾」づくりに動員されていたのは、日本全国そして満州の女学生たち。「手先の柔らかい若い女学生の手が和紙の貼り合わせに適しているから」だ。そんな女の子たちの埋もれた声を一つ一つ掬い上げて小説に織り上げた小林さんは、戦争の記憶の風化が懸念される戦後79年の今でも、今だからこそ、私たちにできることはあると言う。
世界ではウクライナやパレスチナで戦争や虐殺が起こり、日本はあからさまに軍拡と核依存、戦争準備にひた走る今こそ、一人一人ができることを。その指針とすべく、戦後79年の8月15日号夏の特集では、小林さんのインタビュー(2・3面)と、イスラエルによるパレスチナの人々へのジェノサイド(4面)、今年2月に亡くなった女性史家もろさわようこさん(5面)について伝える。●編集部
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