(c)高橋美香
2011年にジェニン難民キャンプで暮らすマハに出会ったのは、ほんの偶然のことだった。
02年にイスラエル軍の軍事侵攻を受けたヨルダン川西岸地区の北部にあるこの難民キャンプは、パレスチナ人による武装抵抗組織の活動が盛んなことでも知られている。狭いコンクリートの住居がひしめき合うキャンプの壁には、抵抗のスローガンや壁画が描かれ、貼られた殉教者のポスターが次から次へと増えていく。マハの長男カマールは、幼いころから難民キャンプのなかにある「自由劇場」で演劇を続けながら成長した。私は「自由劇場」を訪ねたことでカマールに出会い、その母親のマハに出会った。(4面へ続く)
続きは本紙で...