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インタビュー

石木ダム予定地の自然を描く

こうばるほずみさん

  • 2022.11.15
  • 聞き手…清水さつき
  • 撮影…村山嘉昭

 こうばるほずみさん

(c)村山嘉昭

絵の力で「営み型の闘い」を続ける

 

2年前、個性的で色彩豊かなイラストのカレンダーを知った。長崎県の川棚町で進む石木ダム建設計画の問題を多くの人に知ってもらうことを目的に発行されていることがわかり、俄然興味がわいた。

 

イラストはダムの水没予定地・川棚町こうばる地区で生まれ育った、こうばるほずみさん。こうばるは清流・石木川が流れる豊かな自然に囲まれた土地だ。ほずみさんは「子どもの頃はアカハライモリのような在来種の生き物がたくさんいて、よく田んぼで遊びました」と語る。  ほずみさんが絵を描き始めたのは高校生の時。「初めはデザイナーを目指して、美術系高校のデザイン科に入学しました。でも、本格的に美術の世界を知ると息苦しくて、心を病んでしまって…。療養には豊かな自然に包まれた地元が最適だったので、以来地元を離れられず」

 

ダム建設は長崎県と北隣の佐世保市が進め、同市の用水確保と川棚川の洪水防止を目的とするが、時代は大きく変わった。佐世保市で水不足は起こらず、石木川は本流の川棚川に下流部で合流するので洪水対策の意味はないと専門家がデータで示す。ムダな公共事業の典型だ。

石木ダムは1970年代に計画が開始。長く中断していたが、その間に県が反対住民の切り崩しを行い、今では13世帯が残るのみ。そこへ2010年に突然水没予定の道路付け替え工事が始まった。ほずみさんの家も13世帯の1軒だ。  県と市が申請したダム事業を、13年に国が認定。豊かな自然と土地を守りたいと、13世帯が15年に事業認定取り消し訴訟を起こしたが、20年10月に最高裁で上告が棄却されてしまった。19年には13世帯の未買収地を県の収用委員会が採決して強制収用され、今は13世帯の住民が土地を占有する状態だ。

        続きは本紙で...


こうばる ほずみ

1982年、長崎県川棚町生まれ。ダム予定地に2021年11月、「石木川ミュージアム」を開館(予約制)。ダム建設問題と住民運動は「石木川まもり隊」で検索を。「こうばるショップ」ではカレンダーやDVD『ほたるの川のまもりびと』のほか、本や小物なども販売している。

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