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インタビュー

アフガン映画『明日になれば』監督

サハラ・カリミさん

  • 2022.4.15
  • 聞き手…清水さつき
  • 画像提供…Sahraa Karimi

サハラ・カリミさん

(c)Sahraa Karimi

フェミニズムがアフガニスタンを救う

 

この5月、アフガニスタンで生きる3人の女性を主人公にした映画『明日になれば アフガニスタン、女たちの決断』が公開される。家父長制の強い社会で、ただの被害者に終わらず、自分の意思を貫こうとする女性たちのこの物語の監督は、アフガニスタン人のサハラ・カリミさん。本作で何を描きたかったのか。オンラインで聞いた。

 

物語は―。妊娠中のハヴァは夫と夫の両親の下で家事をせねばならず、買い物ははしごで屋根に上って隣家に頼む日々だ。ある日ハヴァは行動に出る…。テレビキャスターとして自立した生活を送るマリアム。別居中の夫と離婚したいが、妊娠が判明。かつての結婚衣装に袖を通して、今後の生き方を思い悩む…。18歳のアイーシャには恋人がいたが、いとことの結婚を決意。彼女が取った行動とは―。

 

3人は、共に男性中心社会で深い生き難さを抱えている。  「一般に、アフガン女性は被害者かヒーローかというステレオタイプに捉えられがちですが、直面する問題は他の国の女性たちと同じで、とても普遍的です。本作は異なる社会背景や家族環境を持つ女性を描くようにしました。女性たちが、ある社会で、ある問題や悩みに対峙した時に、同じようにもがき、苦しむことを知ってほしかったからです」  2001年にイスラム原理主義勢力タリバン政権が崩壊後、女性が公に教育を受けられるようになって、政治分野など社会進出も進んでいた。

「この映画のストーリーは現実から着想を得ていて、多くの女性たちがモデルです」と言うサハラ監督が、本作を首都カブールで撮影し完成させたのは19年のこと。その後、昨年8月、タリバンがまたもアフガニスタンを制圧した。女性の社会参加や人権擁護を進めていた女性問題省が閉鎖されるなど、女性が生きづらい社会になってしまった。  今の状況が続く限り、女性の生き方を描く映画の製作は不可能だ。「再び女性は家庭に囚われている。昨年夏以降、DVの件数は上昇しています」と監督は言う。

        続きは本紙で...


サハラ・カリミ

1985年アフガニスタン生まれ。14歳でイランに避難する。建築家になるのが夢だったが、偶然映画の道へ進む。2012年にアフガニスタンに戻り、国営の映画製作会社のゼネラルディレクターに就任。昨年8月に出国した後は、ウクライナやイタリア滞在を経て、現在は米国滞在。

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