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インタビュー

「文化センター・アリラン」副理事長

宋富子さん

  • 2022.2.15
  • 聞き手…栗原順子
  • 撮影…落合由利子

宋富子さん

(c)落合由利子

在日は平和をつくる使者

 

「歴史を学んで私は考える人になりました」「韓国の思想家・咸錫憲の言葉によると、抗議しない民族は滅びるそうです」   東京にある「高麗博物館」の1月の講演会で、かつて館長だった、在日朝鮮人2世の宋富子さんは熱く語った。高麗博物館は、日本と朝鮮半島の歴史の事実を伝え、日本とコリアの友好と共生社会の実現をめざすたために市民らが設立した。富子さんは、同館の開館に尽力した一人で、今は「文化センター・アリラン」の副理事長だ。  アリランは、ある在日2世の男性が私財を投じて、1992年に埼玉県に創設した日韓・日朝の歴史書を集めた図書館。2010年に、韓流ファンで賑わう新大久保にある高麗博物館と同じビルに移転した。  「図書の閲覧だけでなく、在日と日本人が交流し合える文化センターで、連続歴史講座なども開かれます」と富子さん。閲覧室は8階の窓からさしこむ光が明るく、温かい雰囲気だ。

 

 1941年、奈良県で生まれた。2歳の時に父親が病死。母親は廃品回収などをして、結婚していた一番上の姉を除く子ども6人を必死に育てた。小学校では通称の日本名を名乗っていても「チョーセン人」といじめられた。生んだ母親を恨み、死ぬことばかり考えていた。

 

 20歳の時、自動車修理工場を営む在日男性と結婚し、同胞が多く暮らす神奈川県川崎市に移り住む。夫の家族や住み込み従業員の世話に追われ、4人の子どもたちは学校などでいじめに遭い、心配事は尽きなかった。ある日、子どもが通う桜本保育園の父母会に初めて出席し、園長で在日大韓基督教会川崎教会の李仁夏牧師の話を聞いた。

 

「〝自分を愛するように隣人を愛す〟〝保育園では本名の民族名を使用していただきます〟というお話に衝撃を受けたの。31歳になるまで自分を愛するなんて考えたことがなかった」  以後、本名を名乗り、聖書研究会に通い、牧師たちから信仰や歴史を学ぶ大切さを教わる。自身もクリスチャンとなり、すべての価値観が変えられた。

        続きは本紙で...


そん ぷじゃ

1941年、奈良県生まれ。「高麗博物館」初代館長。現在は「文化センター・アリラン」副理事長、高麗博物館名誉館長。在日大韓基督教会川崎教会名誉長老。共著に『愛するとき 奇跡は創られる 在日三代史』(三一書房)『灯を輝かし、闇を照らす』(いのちのことば社)。

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