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社会人であり、アクティビストである梶谷風音さんは今年9月、自身が発案した、中絶における「配偶者同意」の廃止を求める署名約4万筆と要望書(詳細2面)を、厚労省担当者に手渡した。その後の記者会見も、後日行われた外国人記者クラブでの記者会見も人生初めて。風音さんは世界に向けて「結婚していようといまいと、女性の身体は女性のもの。女性の性と生殖をめぐる権利(リプロダクティブ・ライツ)が侵害されてはならない」と訴えた。
日本で人工妊娠中絶を受けるには、母体保護法14条により、原則「配偶者同意」が求められる。加えて性暴力による妊娠や法律婚をしていない人の場合も、相手男性の「同意」を求められる例が多発している。 「私が『配偶者同意』はおかしい、廃止したいと思っていたところに、国際セーフ・アボーション・デーJapanプロジェクト(セーフ・アボーション)の先輩たちが強力にバックアップしてくれて、署名活動が実現したんです。多言語で展開したので、日本以外の人も署名してくれました。行ったことない国の女性のために名前を書いてくれたのが、私はとってもうれしくて。私が声を上げてから、『私たちの中絶に相手の同意がいるなんておかしくない?』っていう声が日本でどんどん増えてきた。誰も言わないなら私が言うしかないと思って始めたけど、もし私が声を上げなかったら、まだ声が静かなままだったのかなと考えると…怖いです」
「4歳の頃から、なんでママがパパの苗字に変わって、パパの故郷に付いていかないといけないんだろうと思っていました」と風音さん。学校で「女の子の身体はお母さんになる準備をするんだよ」と教えられ、9歳の時には「自分の生殖能力を使いたくない」とはっきり自覚したという。
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