(c)宮城秋乃
木漏れ日の中で木々が揺れ、ここにしかいない珍しい蝶などの昆虫が住む、豊かな自然を抱える沖縄本島北部、やんばるの森。その自然や生き物たちを、蝶類研究者としてブログやSNSで紹介してきたのが「アキノ隊員」こと宮城秋乃さんだ。 本紙2017年新年号でも、やんばるの生き物の目線でオスプレイの飛行や米軍基地を告発する文章を寄稿してもらった。同年、「抱きしめてむさぼりたい」と言うほど愛おしむ森の生き物たちを撮った写真絵本『ぼくたち、ここにいるよ 高江の森の小さないのち』(影書房)を出版。13年から続くブログ「アキノ隊員の鱗翅体験」も、昆虫を追って森の中に入る様子が楽しげな口調で語られて、読みながらつい?が緩んでしまう。 その 秋乃さんは17 年12 月以来、やんばるの森の米軍返還地に放置された廃棄物を見つけては通報し、外に運び出していた。愛してやまないやんばるの森に、米軍由来の弾薬や携帯食のゴミなどが散乱して、生き物たちを生きづらくしている。それが許せない。日本側も米軍側も廃棄物を処分しようとせず、放置状態が続くばかり。このままでは埒があかないと、秋乃さんは廃棄物を袋に入れて北部訓練場のゲート前に並べるという行動へ、一歩踏み出した。
「家宅捜索は、廃棄物を北部訓練場のゲート前に置いたことにより車両の通行が妨げられたとする威力業務妨害罪など、3つの容疑で行われました。でも私は去年12月に返還地で見つけたコバルト60を含む電子部品をゲート前に置いて、ゲートを7時間閉鎖させました。コバルト60の発見は米軍に不利なことだから、問われない。明らかに恣意的です」と憤る。 そして8月、書類送検された。「威力業務妨害は起訴の可能性があります。でも、広く世に知らせたい私にとって、これは最初から計算済みの展開です」
続きは本紙で...