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インタビュー

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟原告

小野春さん

  • 2021.5.5
  • 聞き手…柏原登希子
  • 撮影…落合由利子

小野春さん

(c)落合由利子

これは、私たちの尊厳の話なんです

 

今年3月17日、同性間の結婚を認めないのは憲法違反だと同性カップルらが訴えた(「結婚の自由をすべての人に」)裁判で、札幌地裁は初めて「憲法違反」と判断した(2面)。2019年に全国5カ所の地裁に提訴された裁判の東京訴訟の原告の一人、小野春さんは 「あの日のことは忘れられない! 東京で仕事をしながら、判決を逐一全国の仲間と聞いてたんだけど、判決聞いてみんな大号泣! その日はオンラインで乾杯しました」と話す。

 春さんは、20代で男性と結婚し、2人の息子を出産。その後離婚し、16年前に今のパートナーの西川麻実さんと暮らし始めた。西川さんも離婚し娘が1人。母2人で、今は大学生になった子ども3人を育てる。

 

 「新しい家族ですねなんて言われるけど、共働きの2人の大人が協力して子育てして、ひーひー言いながら日々を回してる、その辺にいる家族なんです。でも暮らしは他の人と変わらないのに、結婚できないから、共同親権や相続ができないし、公営住宅に申し込みすらできない。議員に訴えまくって申し込みできるまで1年かかった。これじゃ寿命が1000年あっても足りない! 明らかに不平等じゃないですか。離婚した経験から結婚ってつくづく男女不平等だと思ったので、結婚制度に疑問もあるけど、今私たちには結婚をする・しないの選択肢もない。これは、私たちの尊厳の話なんです」

カトリックの家庭で育ち、高校生の時に初めて同級生の女性にときめきを感じたが、すぐに気持ちを抑え込んだ。「自覚しても、いいことないと思ったの。世の中がダメって言ってることに自分が該当したら立ちゆかなくなるじゃないって」。しかし「いつも、だめだ、周りについていけない、置いていかれるって焦ってた。なぜかは分からなかったんだけど」。大学生の時は女性誌「JJ」を参考にして外見を変え、男性からの“モテ”を追求。就職後は当時付き合っていた男性と結婚した。

        続きは本紙で...


おの はる

東京都生まれ育ち。「結婚の自由をすべての人に」(Marriage for All Japan)東京訴訟原告。「にじいろかぞく」代表。著書に『母ふたりで“かぞく”はじめました。』(講談社)。米国発の絵本『ふたりママの家で』(サウザンブックス社)翻訳プロジェクトに企画・協力。乳がんサバイバー。

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