(c)落合由利子
沖縄本島南部には、今も沖縄戦で亡くなった人の遺骨が土の下に眠る。その土を、辺野古の新基地建設の埋め立てに利用するという。この沖縄防衛局の土砂使用申請(2020年4月)に抗議して、東京の首相官邸前で昼夜のハンストを続ける沖縄出身の女性がいると知って、会いに行った(3月29日)。その人が、金武美加代さんだ。
辺野古埋め立てには、当初県外からも土砂を集める予定だったが、外来種の動植物流入を防ぐという名目で全て県内調達に変更になった。うちなーんちゅ(沖縄人)は反応した。長年ボランティアで遺骨収集を行っている具志堅隆松さんが、沖縄県庁前で、3月1日から6日まで抗議のハンストを行っていた。
「うちなーんちゅにとって南部は特別な場所。その土を埋め立てに使うなんて完全に道徳に反している。だからすぐ却下されると思ったら、こんなに長引いちゃって。沖縄は基地を押し付けられ、人権がないがしろにされているけど、またも見くびられている」と金武さんは語る。
具志堅さんのハンストが終わりに近づいた3月5日金曜日、「東京にいるうちなーんちゅとして、これは後に続かなければならん。具志堅さんからバトンを渡されたぞと、勝手にハンストを引きうけた(笑)」と、3日後には開始。3月30日まで続けて、その後は回復食を摂りながら4月21日まで寝座り抗議を続ける予定だ。沖縄と本土の若者も具志堅さんに呼応していった。 沖縄人の金武さんの根っこには戦争と差別がある。だから南部戦跡の土砂を基地建設に使うことに敏感なのだ。
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