WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

性暴力被害当事者として言葉を紡ぐ

池田鮎美さん

  • 2021.3.5
  • 聞き手…清水さつき
  • 撮影…落合由利子

池田鮎美さん

(c)落合由利子

私たち被害者の正しさは失われない

 

池田鮎美さんが書く、性犯罪被害者と支援者による団体Springのメルマガ「すぷだより」の巻頭コラムを読んで、「命の値段」や「生き延びて」などのストレートでどきっとする言葉に、毎回心が揺さぶられた。その後、今年1月まで本紙で「あゆだより」の連載をお願いした。性暴力サバイバーとして、言葉や「書くこと」にどんな思いを持っているのだろう。

 大学1年生の夏、英語の試験の前日夜、部屋に忍び込んだ男にレイプされた。殺されるのではないか、これは夢ではないのか。動揺し、その事実を消してしまいたいとの思いから通報できず、翌日の試験を受けた。その後20代の10年間、当時のパートナーからDVを受け続けた。「暴力を受けてしまった自分には価値があるとは思えなかったので、抵抗も逃げることもできなかったんです」

 こんな被害に遭うなんて、世の中に問題があるのではないか…。必死で被害の意味を考え、多くの本を読み、性暴力と刑法も調べ、学んだ。だが、9年前に「もう生きていけない」と思うような性暴力被害に遭う。ライターの仕事中で、取材対象からの被害だった。暴行も脅迫もなかったが、逃げたら死ぬような場所だったため、動けなくなった。刑法では立件できないケースだとわかったし、またも自分は大きなダメージを受けるのか…と精神的に苦しみ混乱した。偶然、一連の暴力場面を録音していたので証拠として提出したが、ケガをするほどの抵抗をしなかったからと、起訴猶予となった。

 池田さんは書くことが好きだった。性暴力被害のフラッシュバックに見舞われ、苦しみながらも、大学生の頃から雑誌に寄稿していた。卒業後は就職せず、フリーランスのライターや編集者になった。

        続きは本紙で...


いけだ あゆみ

1981年新潟県生まれ。ライターや編集の仕事を経て、PTSDを持つ障がい者として企業の内部監査部門で働き、今年で3年に。「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)」に関わり、『マスコミ・セクハラ白書』に自身の経験や思いを書いている。

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