(c)金明和
分娩中にマスクをつけさせられた妊婦さんが複数いるという話をSNSで見かけた。分娩中に息がしにくいと母体にも赤ちゃんにも負担が大きいだろうというのは素人でも分かる。感染症の専門家たちが屋外ではマスクをつけなくても大丈夫だと言っている。でも屋外で歩いたり自転車に乗っている大抵の人はマスクをつけている。蒸し暑い日などは熱中症にならないか心配になる。
感染予防は大事である。新しい感染症なので、なおさら不安になるのだろう。そら、できるなら迷惑をかけずに生きられたらええなあとは思う。でも人はスライドパズルのように周囲に影響したりされたり、迷惑をかけたりかけられたりしてしまうものだ。感染リスクの低い状況、負担の大きい人にもマスク着用を強要するのは不合理である。またみんながしているからという同調圧力でそうせざるを得ない社会はしんどい。そういう考え方は、してない人はずるいという考え方に直結する。気軽に迷惑をかけあえる社会のほうが生きやすいに決まってる。
マニュアルのない新しい物事に対応する時、他人の事情を想像したり臨機応変に対応する生活力は大事だ。その点「おばちゃん」は完璧である。おばちゃんの生活力を舐めたらあかん。卓越したコミュ力、寛容さの泉、お節介の極致。おまけに、偉そなやつに図々しく対抗できる抵抗勢力でもある。これら一切を完備してるオカン、おばちゃんという生き方は私の推しである。
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