(c)落合由利子
「沖縄・辺野古で踊るストリッパーがいる」とふぇみん会員さんから聞き、会いたかった。それが牧瀬茜さん。ストリッパーが本業で小説や詩も書く。演奏家や落語家などさまざまなジャンルの人と共演し、踊りやパフォーマンス、芝居・朗読もする。休日がほとんどない中、辺野古に行き、新基地建設反対を踊りで抗議し、アートで平和を訴える。活動はアグレッシブだが、話す声がすごく柔らかい。
ストリッパーになるきっかけは、自分の詩や絵をベニヤ板に貼って路上で売っていた時、通りがかりに作品を見てくれた女性がストリッパーで、彼女のステージを見たことだ。
「なんて開放的な世界!と憧れました。幼い頃から内向的で、嫌われることや誰かを傷つけることを恐れていました。自分を変えたい、ストリッパーになれば覆い隠してきた自分を解放できると思いました。ストリップという言葉の語源は〝?く〟らしいです」 1998年にデビュー。日本各地のストリップ劇場を10日ずつめぐりながら、劇場ごとに表現を変え、年間300日踊ってきた。この業界で超人気のスターになり、今も男女を問わず追っかけファンがいる。 だが全国に200以上あったストリップ劇場は時代の変化とともに激減し、今は20館ほどに。
「温泉街の劇場は一見のお客さんが多く、学生さんや若いカップルも来ます。彼らから見たら私はもうお母さん世代。ストリッパーとしてはもう〝崖っぷち〟かもしれません。でもネットに裸や性器が氾濫し裸の意味合いも変わりゆく中で、ストリップも単に裸を売っているのではないと感じてます」 時にはセリフが入るものや、「雪女」「牡丹灯籠」のような怪談ものを演じる。「若い頃はお客さんに喜んでもらいたいという思いが強かったです。今は、衣装だけでなく自分を全て脱いでお客さんと共にステージが出来上がっていくような時間にしたい。きれいだけじゃない、いかがわしさや生々しさが匂うような芸術…それがストリップの魅力かな」。
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