WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

  • HOME
  • >
  • インタビュー

インタビュー

パフォーマンス・アーティスト

犬飼美也妃さん

  • 2020.6.25
  • 聞き手…社納葉子
  • 撮影…江里口暁子

 犬飼美也妃さん

(c)江里口暁子

私の体は、人間を表現する体

 

ふわふわの髪にゆっくり話す甘い声。パフォーマンス・アーティストである犬飼美也妃さんが海外のアーティストたちから「東洋の妖精」と言われるというのもわかる。しかしパフォーマンスが始まると、そんな印象は消し飛んでしまう。すっくと立ち、裸の上半身を大きく後ろに反らして眉間にトマトを置き、ナイフを入れる。トマトの汁が顔や首を伝い、胸元に赤い筋をつくる。

育った家は曽祖父、祖父母も同居する大家族。町内には9人いる祖父のきょうだい家族が暮らし、「本家」である自宅には常に誰かが出入りしていた。核家族から「嫁いだ」母の強いストレスに思い至ったのはずっと後だ。

 父もまた苦しかったのだろうか。約3カ月に1度のペースで美也妃さんが動けなくなるほどの体罰をふるった。不思議なことに母や7歳違いの妹には向けられない。美也妃さんは「自分が悪い子だから」と思い込んで育った。  「でも〝愛されている〟と思っていました。両親はバレエやバイオリンを習わせてくれたし、父もふだんは優しかった。周囲から憧れの目で見られる家庭だったと思います」。すさまじい体罰も「愛」として受け取りながら育った。

 高校時代は演劇に夢中になったが、役者になりたいとは言い出せず、三浪の末に東京の美大へ入学。演劇の道もあきらめきれなかったが、フランスの現代アート作家、クリスチャン・ボルタンスキーの作品を見てひらめいた。「演劇と美術が合体したような作品で。演劇を一人でやるならこれだなと」。そこからは一人で観客の前に立ち、体を使って表現するパフォーマンスアートの道へと進んだ。  一方で、身近な人間関係ではトラブルの連続だった。

        続きは本紙で...


いぬかい みやき

1972年愛知県生まれ。滋賀県守山市在住。パフォーマンス・アーティストとして国内外のパフォーマンスアートフェスティバルに参加。また、子どもたちや子どもに関わる大人たちに向けてアートのワークショップを行う。子どもも大人も参加できる「アトリエチャオ」主宰。

【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月800円、3カ月2400円
 6カ月4800円、1年9600円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
このページのTOPへ