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インタビュー

「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の

井田奈穂さん

  • 2020.5.15
  • 聞き手…柏原登希子
  • 撮影…落合由利子

 井田奈穂さん

(c)落合由利子

オセロを一枚一枚ひっくり返すように

 

今年2月、選択的夫婦別姓の法制化のためのクラウドファンディングプロジェクト「#自分の名前で生きる自由」が始まった。4月17日に当初の目標金額を上回る730万円を達成した。協力者は30代を中心に10代から80代の1124人。プロジェクトを始めたのは「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」。2018年11月の設立以来、全国の地方議会で陳情を提出し、三重県、大阪府、滋賀県など44の議会から選択的夫婦別姓制を求める意見書を国に送るきっかけを作ってきた。

事務局長を務めるのが井田奈穂さんだ。会社員の傍ら、全国の約170人のメンバーと活動してきた。「結婚改姓で名前を失って大変だった、あるいは結婚できず困っていると言う人が大勢いるのに、存在が透明化されているんです。私たちの活動で気軽に声を出すようになれば、議員を動かす力にもなる」と井田さんは力強く話す。

「女」役割と自己実現の狭間で挫折した母の過干渉から逃れるようにして、19歳の大学1年生で結婚、出産。姓を変えたくなかったが、夫は「妻の姓になるのは恥ずかしい」と一蹴。周囲からも「家と家との関係だから」と説かれ、「井田」に改姓。刻印を押され「自分が侵食される感覚」を味わった。19年後離婚したが、仕事で名乗ってきた姓と、子どもたちの性を変えないために「井田」姓を続称した。  その後、現在のパートナーが病気を患い、事実婚では手術同意書に署名できないと病院に断られたことから、再婚を決意。姓を変えたくない子どもの気持ちを尊重し、子どもとの戸籍を抜けて改姓した。

 ところが、銀行口座やクレジットカードの名義変更、各種引き落としや子の銀行口座の法定代理人名変更…100以上の手続きに2年ほど追われた。  「コノヤロウと思うくらい面倒くさい作業を通じて、改姓は社会的な死だと実感しました。二重に本来の名前を葬り、一体私は誰なんだろう?と」。

        続きは本紙で...


いだ なほ

1975年奈良県生まれ。「人見知りをしないのが唯一最大の武器」。アクションには、「別姓家庭の子はかわいそう」との声に異議を唱える男子高校生など、事実婚家庭の子どもたちもメンバーになっている。子世代の座談会を6月に開催予定。「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の公式サイトはhttps://chinjyo-action.com/

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