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インタビュー

宮廷料理をベースに韓国料理を教える

な すんじゃさん

  • 2020.5.5
  • 聞き手…社納葉子
  • 撮影…江里口暁子

 な すんじゃさん

(c)江里口暁子

料理という種を播く人でありたい

 

ある食堂でいただいた韓国のスープが絶品だった。店主が「韓国にある宮廷料理の大学みたいなところで学んだ先生に教わった」と教えてくれた。それが、な すんじゃさんである。

平壌出身の父と韓国・清州出身の母との間に生まれた在日2世。朝鮮で高等教育を受け、京都で出版関係の仕事に就いた父は朝鮮人としての暮らしを大切にした。すんじゃさんが「羅 順子」と本名で通したのも父の意思だ。

  「だけど日本式に〝ら じゅんこ〟と呼ばれてしまう。ずっと違和感がありました」。子どもの頃、父は毎朝すんじゃさんの髪を編み、自転車の後ろに乗せては映画や動物園に連れて行ってくれた。朝鮮半島で何か起これば系統立てて説明した。一方で「あんまり賢くならなくていい」「本は読まなくていいよ」とも言われたとすんじゃさん。「同胞との間でイデオロギーの問題に巻き込まれ、日本の公安にもマークされ、苦しい思いをしたようです」。うつ病で倒れ、50代の若さで亡くなった。

 「「な すんじゃ」として歩み始めたのは、20歳前のことだ。通っていた華道教室の先生に「私の名前はハングル読みでは〝な〟と読みます。これからは〝な すんじゃ〟と呼んでいただけますか」と伝えた。

 「基本的に母語が日本語なので、自分自身は日本人と変わりません。でも胸のうちには少しでも韓国人、朝鮮人に近づきたいという思いがありました。そこで考えたのが、名前をちゃんと名乗っていくことだったんです」。この経験はすんじゃさんに「自分が動けば環境も変わる」という確信をもたらした。以来、平仮名で「な すんじゃ」と名乗っている。

        続きは本紙で...


な すんじゃ

1948年、京都府生まれ。すんじゃさんが生まれる前に両親が養子として引き取った10歳年上の姉がいた(故人)。現在は在日1世たちの食生活を紐解きながら実際に再現する試みに、若い世代とともに取り組んでいる。http://nasoonja.com/

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