(c)落合由利子
シンガーソングライターの川口真由美さんと初めて会ったのは、沖縄・辺野古での新基地建設反対集会の時。耳に心地よいのびやかな声、歌には決意がみなぎるような迫力があった。川口さんは毎月、京都から沖縄に通っていた。辺野古のほかにも憲法集会や反原発集会で自作の反戦歌などを歌う。障害者通所作業所の代表であり、3人の子どもがいるシングルマザーとして忙しい毎日だが、土日はギターを抱え、全国を飛び回る。
「2012年、初めて高江に行き、米軍ヘリパッド基地建設に反対する人々が24時間の闘いをする姿が衝撃やったんです」
沖縄の闘いをもっと知ろうと高江や辺野古に通う。ミサイル基地問題を抱える宮古島・石垣島も訪れた。沖縄平和運動センター議長の山城博治さんなど不当に拘束・逮捕された人を励ますため警察署の前で歌ったことも。自身も何度も辺野古のゲート前で機動隊に排除された。
「辺野古で座り込んだ当初、何もわからない私はニュースになれば工事が止まるかもと浅はかに考え、抗議中にトラックに突っ込んで死んだろかという心境になることもありました。もちろんそれはあかん!と気づく。そんなことをしても工事は止まらない。怒り狂う自分のそばで、怒りながらも非暴力で権力と闘うことを全うする沖縄の人たちに心が痛み続けました」
インタビュー中、語りが幾度も熱を帯びた。熱い想いは歌に表れる。時に「爆弾歌手」「炎の歌手」と呼ばれ、集会で平和を訴える人々を鼓舞している。
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