WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

バイオリン歌い弾き

みほこんさん

  • 2019.7.5
  • 聞き手…岡田真紀
  • 撮影…落合由利子

 みほこんさん

(c)落合由利子

音で寄り添い 音でつなげる

 

 「こんにちは~。みほこんです!」。バイオリンを片手に、はじける笑顔でカフェバーでのライブに登場する、みほこん。透き通った歌声をバイオリンは低音域で支えるかと思うと、メロディアスに対旋律を奏で、まるで歌い手と弾き手の2人がいるように響き合う。

「♪~仕事にあぶれたなんて 笑って言えたのは 昨日のことだったのに 今はもう笑えない 今日人事部長に 解雇を告げられて もう今月の家賃も 払えない!『失業』」(「派遣切りキリキリマイ」)、「♪~戦争は 人を虫けらのように殺すから だから 憲法9条は変えたらいけんと~」(「人が人であるために」)。社会的な問題が詞ではあるが、流れてくるメロディーは時にユーモアをまじえ、時に哀切をたたえて、心にしみこんでくる。みほこんは、新潟中越地震の被災者や、太平洋戦争激戦地ミンダナオ島から生還した元兵士、路上のおっちゃんたちが語る言葉を全身で受け止め、熟成させ、詩と曲に生まれ変わらせ、聴く者に届ける。

4歳でバイオリンを習い始め、小・中学校時代は子どものオーケストラに所属し、高校では管弦楽部に入った。当時、アマチュアの弦楽合奏団でもコンサートマスターを務め、演奏量が多すぎて両腕が腱鞘炎になるほど。

 その一方で、高校時代は福祉や社会への関心も育っていった。HIV訴訟原告の石田吉明さんのドキュメンタリー番組に感銘を受け、高校でのAIDSメモリアルキルト展にも参加する。折しもその高校は統廃合される計画にあり、教員も生徒も署名を集め、廃校反対運動を繰り広げていた。「今、ここで立ち上がらなかったらどうするの? 私たちの問題は私たちが声をあげよう」と、彼女も参加。大学に入った年、いよいよ校舎が取り壊され、ブルドーザーがやってくるというその時、友人たちと母校に駆けつける。工事用のフェンスの前で、みんなの歌声に合わせてバイオリンで校歌を奏でた。「私には音楽がある。みんなの想いをバイオリンを通して表現したかった」

        続きは本紙で...


みほこん

1977年、東京都生まれ。阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災被災地でボランティア。福祉関係職のかたわらライブ活動。憲法フォークジャンボリー、横浜寿町フリーコンサートなどに出演。CD『山にかえれば』『派遣切りキリキリマイ』『父島ソング』発売中。

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