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インタビュー

韓国「植民地歴史博物館」開設に尽力した

野木香里さん

  • 2019.2.15
  • 聞き手…栗原順子
  • 撮影…清水さつき

 野木香里さん

(c)ふぇみん

博物館の力強さを信じて

 

昨年8月、韓国ソウルに新しい博物館が誕生した。日本の朝鮮侵略・略奪と親日派の実像、抗日闘争の歴史を記録し、展示する「植民地歴史博物館」。韓国の社団法人「民族問題研究所」(以下、民問研)が中心となり、韓日の市民などの寄付や寄贈資料によって開設された。企画段階から関わった日本人の一人が、民問研・専任研究員の野木香里さん。「民間の力だけで開設できました」と熱く語る野木さんに案内をしてもらった。

博物館は、植民地支配の要の地だった龍山区にある。常設展示館は「日帝はなぜ朝鮮を侵略したか」など4ゾーンに分かれ、大韓帝国皇帝の純宗が国権を渡すと発表した勅諭、京都日出新聞社発行の韓国併合の正当化を宣伝した〝朝鮮双六〟、3・1独立運動で読み上げられた「独立宣言書」の初版原本など、貴重な資料がいっぱい。独立運動家が警察の取り調べを受けた様子がわかる体験ゾーンも。傍若無人な日本が露わになる数々の展示に胸が痛い。

「一つ一つにも日本語の説明がほしいという声をもらいますが、展示物はほとんど日本語。朝鮮人を弾圧する写真もあり、〝植民地期にいるみたい〟〝圧迫感を感じる〟と話す韓国の方がけっこういるんです。こういう面からも植民地支配とは何だったのかと思いをめぐらせてじっくり見てほしいんです」

5階建ての2階が常設展示館で、1階はオープンスペースや企画展示室・ホール、5階にはセミナールームも。開館5カ月で6千人の来場者があった。照明の寄付は韓国人、車椅子とソファは日本人から。野木さんと入った近所の安くておいしい食堂店主も博物館の賛同者。地域や韓日市民が支える博物館だ。

        続きは本紙で...


のぎ かおり

1980年京都府生まれ。民族問題研究所・専任研究員。ソウル在住。共訳に『塩花の木』(金鎮淑著 耕文社)ほか。植民地歴史博物館は、「『植民地歴史博物館』と日本をつなぐ会」のウェブサイトを参照。資料やカンパを引き続き募っている。

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