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インタビュー

国立ハンセン病資料館学芸員

金貴粉さん

  • 2018.7.15
  • 聞き手…栗原順子
  • 撮影…宇井眞紀子

金貴粉さん

(c)宇井眞紀子

病、在日、女性…苦しみ背負った人

 

東京都東村山市のハンセン病療養所「多磨全生園」。そこに隣接するハンセン病資料館(以下、資料館)は、ハンセン病の正しい知識の普及啓発、偏見・差別の解消、患者・元患者の名誉回復を図るために設立された。資料館学芸員の金貴粉さんは、講演活動などで全国を飛び回っている。

 「小・中学校に呼ばれることが多いのですが、ハンセン病の歴史的な経緯を伝えてもピンとこない。でも、『国や社会が、ハンセン病患者を人として見なかったことが誤りなんですよ』と言うと、生徒たちは〝そっか!〟という顔をする。シンプルなメッセージが心に届くみたいですね」。人を温かく包み込む笑顔と、わかりやすい解説で資料館を案内してくれた。

貴粉さんは北海道函館市生まれの在日3世。小・中・高と日本の学校に本名で通う。小学生の時「朝鮮人!」とからかう男子がいたが、抗議したらぴたっとやんだ。「高校は女子校でのびのび育ちました。今も変わらずのんびりした性格です(笑)」

大学は「書道科」に進学。韓国に1年間交換留学、朝鮮書芸史を学ぶ。資料館に初めて訪れたのはその頃。回復者の人生に在日や朝鮮書芸との共通点を強く感じた。「どちらも自らが見ようとしないと見えてこない存在」であると感じ、多くの人に伝えたいと資料館学芸員を志し、2005年に正規職員に。らい予防法が1996年に廃止され、2001年国家賠償請求訴訟で原告側が勝訴し、資料館のリニューアルが決まっていた時だった。資料館は07年4月、「国立ハンセン病資料館」として再開館した。

        続きは本紙で...


キム キブン

1980年北海道生まれ。「国立ハンセン病資料館・事業部・社会啓発課学芸員。朝鮮書芸史研究者。共著に『平和概念の再検討と戦争遺跡』(明石書店)ほか、論文多数。今年8月、クレインから『在日朝鮮人とハンセン病』が刊行予定。

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